2日、山科区内で「山科教育集会」(同実行委員会主催)が行われ、約30人が参加。教育三法の改悪をめぐる情勢や、京都市の「教育改革」の実態、地域の教育要求について交流しました。
 集会のはじめに「京都市の教育は今こうなっている」と題して、松橋京都市教職組副委員長が、京都市で進められている「格差・競争・問答無用」の教育の実態について報告しました。松橋氏は、京都市教委が、中高一貫校をはじめ、公立小学校・中学校に「格差」と「競争」を持ち込んでいる実態を報告。問答無用の上意下達行政の中で、困難に直面している教師や子どもたちの実態を克服するために、教師・父母・地域の取り組みの強化を訴えました。
 続いて、新潟大学准教授の世取山洋介氏が「子どもを競わせ、追いつめる!こんな教育でいいの!?」と題して講演。現在「教育改革」の名の下で進められている新自由主義教育の危険性について、アメリカの例とも対比させながら解明しました。
 世取山氏は、「新自由主義者は『選択を拡大すると多様な要求を満たすことができる』と必ず言うが、その次には国家がスタンダードを決めて、賞罰を与える。国家が新しい管理と統制の担い手になっていく」とその狙いを指摘し、「(現場を)コントロールするために、労働のマニュアル化、評価、競争、賞罰を導入するという冷酷無比な施策」であると告発しました。
 講演の後、各参加者から発言があり、「特定の優遇されている学校の地域では高級マンションも建てて、地価も上がっている。若い世代を戻して子どもを良い学校に入れている。それに対して山科は切り捨ててられている。校舎はボロボロのままで、予算も少なく、学力も低いと言われている。もしこうした実態を山科の人たちが気づけば、怒ると思う」「中学校の教師だが、今の中学生を見ていると、ますますメディアに侵されて、目の前のことだけに判断することになり、勉強に対するすばらしさも感じないまま過ぎている。将来展望のイメージも持ちきることができない。彼らに自分の生き方を考えるきっかけをどう作っていくかが課題」など、予定時間を超えて活発に意見交流が行われました。(鏡山次郎)