5月3日から5日は春祭りのシーズンです。五月晴れの3日、滋賀県湖東日野町の馬見岡綿向(ウマミオカワタムキ)神社では春の例大祭が催され、豪華な曳山が各町内からくりだしました。同神社は平安初期の創建と伝えられ、江戸期には日野商人の巨万の財力で維持され、今も郷土の誇りとして親しまれています。
 華やかな神輿3基と大きな曳山16基が、笛・太鼓・すり鉦など威勢のよい囃子が奏でられるなか、曳き手数十人で同神社までの行列する様は圧巻です。祭は八百数十年前に始まったようですが豪華な曳山は約150年前の日野商人の全盛期に制作され、現在はその2代目が多いとのことで、県の無形文化財に指定されています。
 約2キロの沿道の家々の板塀に「桟敷窓(サジキマド)」といわれる切り窓をつくり家と塀との間の庭に床を敷いて窓から家族一同で曳山を鑑賞する風習は日野独特で風情があります。晴れ渡った広々とした神社境内は地元や他の町からの大勢の参観者が日野祭を訪れて繰り広げられる豪華な祭を楽しんでいました。(仲野良典)