京都市指定有形文化財の京町家「杉本家住宅」(下京区綾小路新町西入)で春の特別一般公開が4月1日まで開かれています。旧暦の雛祭りに当たる上巳の節供にちなんだ雛飾りが茶の間や店の間、座敷などに飾られています。
 雛飾りは、杉本家に嫁いだり、女の子が誕生した際にあつらえられた人形などを展示したもの。7代目夫人の源氏枠御殿飾りの有職雛や8代目の長女誕生を祝った官女、当代(9代)の生家から寄贈された享保雛をはじめ、屏風や当時の資料なども合わせて並べられています。当代3女の歌子さんが設(しつら)えました。
 杉本家は江戸中期に「奈良屋」の屋号で創業した呉服店でした。現在の建物は幕末の大火後、1830年に再建されたもので、町家としては京都市内でも最大規模です。今も代々伝わる年中行事を伝えています。
 入場料大人1500円、高校生以下800円。時間は午前10時から午後5時。問い合わせ先は財団法人奈良屋記念杉本家保存会TEL075・344・5724。