京都仏教会が取り組んだ初の街頭署名行動。大勢の市民や観光客らが行き交うなか注目を集めました(6月28日、四条河原町)

 北陸新幹線延伸計画の白紙撤回を求めている京都仏教会は6月28日、京都市内の繁華街で、初めてとなる街頭での署名活動に取り組み、僧侶や協力する市民有志らが「京都が京都でなくなる」「延伸計画の中止を」と呼びかけました。

 多くの市民や観光客らが行き交う四条河原町の百貨店前で、のぼりやオンライン署名のQRコードを載せたプラカードを手に、「延伸計画に反対する署名を集めています」「京都の水を守ろう」などと声を上げました。

 「京都の文化と自然を守れ」とのメッセージを胸に掲げた、京都仏教会常務理事で聖護院門跡の宮城泰年門主は署名活動の冒頭、「京都の地下に巨大なトンネルを掘ることは、自然を敬いながら共存するという仏教の教えとかけ離れている。京都の文化をも破壊する。多くの市民に問題点を思い切り訴えたい」と強調しました。

 行動に参加した50代の僧侶は、「延伸計画は地元の声から始まったものではありません。上から有無を言わさず押し付けるようなやり方は京都の人が一番嫌うもの」と語りました。

 京都仏教会と協力して署名に取り組んでいる「ヘルプ」(京都市左京区)の宗接元信社長も社員らとともに行動に駆け付け、「世論の力が延伸計画を包囲しつつある。政治の側が動けなくなるぐらい署名を広げ、『市民は延伸ノー』と示したい」と話しました。

 署名は6月27日時点で3万7779人分が寄せられています。京都仏教会の長澤靜敬事業部長は、「多くの市民や団体が協力してくれています。オンライン署名に寄せられるメッセージにも励まされています。さらに署名を広げていきたい」と話していました。

メッセージを胸に掲げて、報道陣の取材に応じる宮城門主