20160608-01

 自民党・二之湯智参院議員(京都選挙区)が代表を務める政党支部「自由民主党京都府参議院選挙区第三支部」が、2012年~14年の3年間で政治資金を「飲食代」「挨拶品」などの名目で500万円以上使っていたことが政治資金収支報告書で分かりました。同支部は国民の税金が原資の政党助成金を12~14年で計3400万円を受けています。同氏の政治資金をめぐっては、多額の虚偽記載があるなどとして、市民団体が3月に京都地検に告発するなど問題になっています。

■二之湯議員選挙区支部、政党助成金3400万円受け取りも

 二之湯氏の同支部が支払った「飲食代」は3年間で117回、253万円にのぼります。領収書を見ると、ほとんどが東京都内の飲食店で、高級焼き肉チェーン店や、イタリアンレストラン、寿司、うなぎ、スナックなどの名前がズラリ。12年4月4日には、桜の咲く隅田川から東京スカイツリーを眺めることのできる「屋形船」を運行している会社「A」の領収書約6万円が添付。また、都内にある焼き肉チェーン「T」で約16万円(14年5月)、都内イタリアンレストラン「I」で約4万円(13年11月)などの飲み食いがされています。
 
 また「挨拶品」として3年間で計29回、約125万円分を購入。スイーツ、一夜干し、和菓子、漬物などの店名が並びます。宇治市の茶・和菓子店「I」で約16万円(12年8月)、京都市内の甘味処「B」に約6万円(13年8月)、都内の酒販売店「T」で約13万円(14年9月)を購入。もっとも高額なのは、京都市内の漬物店「M」で、13、14年の2年間で7回、約45万円を購入。これは一例として、同店の「しば漬け」(小サイズ、540円)の833個分にあたります。
 
 また同店の元経営者は政治団体「二之湯さとし後援会」の代表を務めており、同社は二之湯氏が代表を務める「自民党京都府大都市政策推進支部」に12~14年の間に36万円を献金しています。
 
 これらの飲み食いや「挨拶品」が政治活動なのか二之湯事務所に本紙が問い合わせると、担当者は「『挨拶品』はあくまで京都府外でお世話になった方に差し上げているもので、法的に問題はない。飲食費も打ち合わせや会議の場のもの。こちらで会計を分けているので政党助成金は交際費で使っていない」と述べています。

 二之湯氏の政治団体を告発した「政治資金オンブズマン」の共同代表、上脇博之・神戸学院大学法学部教授は、「45万円分もの『漬物』を選挙区外でお世話になった方に贈ることが、なぜ政治活動といえるのか理解できない。個人的な付き合いならばポケットマネーから出すべきで、私的流用なら政治資金規正法違反の虚偽記載に該当し、5年以下の禁固または100万円以下の罰金に問われる可能性があります。多額の政党助成金を受けた政党支部が支出している以上、実質的には税金で『漬物』を購入したことになり、政治的にも問題です」と指摘します。

160605二之湯支部支出

(「週刊しんぶん京都民報」6月5日付より)