フリージャーナリストの西谷文和氏は27日、今年3月までイラクで取材した映像を使って現地の最新情勢を報告しました。京都市北区の立命館大学で立命9条の会が主催した大学新入生歓迎企画で行ったもので46人が参加しました。
 西谷氏は劣化ウラン弾の影響と見られる生まれつき指がくっついた子どもや国際的に禁止されている毒ガス攻撃の被害と見られる全身まひの子どもの映像を示しながら、「最低でも100万人のイラク人が被害にあっている。戦争は無関係な民間人に被害が出てしまう」と述べました。
 さらに、ブッシュ元大統領(父)が軍産複合会社の役員となって戦争でもうけていることやその会社の株主にオサマ・ビンラディンの一族がいることを指摘し、「イラク戦争はアメリカの軍産複合体がもうけるために始まった。世界は戦争経済から脱却しなければならない」と訴えました。
 西谷氏は、憲法9条について「日本をアメリカの戦争から守っている」とした上で、「軍事予算は福祉・医療・教育など社会保障費と両立し得ない。アメリカや日本では軍事を拡大するために社会保障が削られている。憲法9条を守ることは平和だけでなく生活を守ることにもなる」と述べました。
 質疑応答で西谷氏は、北朝鮮のロケット発射問題やソマリア沖への自衛隊派遣について詳しく説明しました。
 参加した法学部の新入生は「北朝鮮は怖いと思ったけど、アメリカの方が怖い」と述べていました。