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クリスマスローズ

クリスマスローズ
クリスマスローズ【キンポウゲ科クリスマスローズ属】  冷え込みが厳しくなるころ、庭のクリスマスローズは元気に新芽を出し始める。深緑の葉の間からは初々しい黄緑色の葉が顔を出し、株元には花芽が顔を覗かせている。それにしても時季外れの名前をもつ花、「クリスマスローズ」。近年、様々な品種ができてますます人気は高まってきた。
 園芸店へ行くと、多様な個性を持つ鉢植えが並んで手に取り上げてくれる人を待ちわびている。しょんぼり下向いて見える蕾に指をおいて、ちょっと励ましてみる。
 庭に生えているのは祖母が植えた株。かれこれ30年以上も前からある。
 私たちが楽しむクリスマスローズの花は、実のところ萼(がく)。だから散らない。それを良いことに花瓶にいけておくと、テーブルには雄しべがぱらぱらとこぼれるように散りひろがるので、食卓からは外して楽しむことにしている。
 庭では、ひらりと開いた萼の中心の種は日増しにどんどん膨らんで大きくなってゆく。もうその頃には春の花が賑(にぎ)やかに咲き始めている。
 幼い頃は、花びらのような萼にでる細かな薄紫の斑点から蛾(が)の羽を連想してしまい、好んだわけではなかったけれど、いつしか虜(とりこ)になっていた。今は、薄紫のほかに白花や、薄く黄緑がかった花まで幾株か育っている。
2010年2月12日 12:41 |コメント1
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絵:杉本歌子 プロフィール
1967年2月13日、京都生まれ。京都芸術短期大学美学美術史卒。現在、京都市指定有形文化財となっている生家の維持保存のため、財団法人奈良屋記念杉本家保存会の学芸員・古文書調査研究主任に従事。植物を中心にした日本画を描いている。画号「歌羊(かよう)」。

受け継いだ京の暮らし 杦庵の「萬覚帳」

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コメント

こんばんは。昨年買ったクリスマスローズを花壇に植えたところ、今年は花がさきません。来年に望みをかけてみることにします。

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