京都 町家の草木

万両

万両
マンリョウ【ヤブコウジ科ヤブコウジ属】  年の初めには寄せ植えの盆栽が床飾りによく用いられる。よく見かける寄せ植えは梅、福寿草、笹と縁起の良い草木がひと鉢にまとめてある。なかには植物の名に遊んで縁起を担ぐこともある。マンリョウは「万両」とかけて喜ばれる低木樹のひとつ。センリョウ(千両)もしかり。また、万両、千両にアリドオシを加えた寄せ植えを好むこともあるらしい。これは「千両万両有り通し」と巧みに語呂を合わせて慶ばれる。
 低木の万両が深い緑を湛えて小さな茂みを座敷庭に作っている。垂直に伸びる細い幹の一番下に伸びる枝の葉陰には、小さくて真っ赤な丸い実がいくつもぶら下がり、常緑の庭にアオイの実と並んで赤い彩りを添えている。
 やってくる野鳥の腹の足しになるような木の実は、この季節の裏庭には万両くらいしかない。メジロ、ヒヨドリ、椋鳥のたぐいが幹に針金のような指を絡ませて留まり、踏ん張りながら身をよじらせるようにして懸命に赤い実を鵜呑みしてはひらりと飛び去ってゆく。
 また庭の何処かで鳥たちが消化しきれなかった種を落とすだろう。そして、あちこちに万両が増えてくる。
2010年1月15日 10:30 |コメント1
絵:杉本歌子 プロフィール
1967年2月13日、京都生まれ。京都芸術短期大学美学美術史卒。現在、京都市指定有形文化財となっている生家の維持保存のため、財団法人奈良屋記念杉本家保存会の学芸員・古文書調査研究主任に従事。植物を中心にした日本画を描いている。画号「歌羊(かよう)」。

受け継いだ京の暮らし 杦庵の「萬覚帳」

京都 町家の草木の新着

コメント

 ほんとに万両は一番下の枝に赤い実が付くのですね。我が家のも見て
みましたら、鳥さんのお蔭で思いがけないところに、万両も千両も生えて
いてびっくりでした。

コメントを投稿

コメントは、京都民報Web編集局が承認するまで表示されません。
承認作業は平日の10時から18時の営業時間帯に行います。




メールアドレスは公開されません



京都の集会・行事