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バレエリュス
1909年、一夜のバレエ公演がパリを熱狂の渦に巻き込んだ。それこそが、天才興行師セルジュ・ディアギレフのバレエ団、<バレエ・リュス(ロシア・バレエ団)>だった。20世紀初頭のパリに花開き、伝説のダンサー、ニジンスキーを生んで世界に名を轟かせたバレエ・リュスは、1929年のディアギレフ没後、解散。彼とともにバレエは死んだといわれた。しかしダンサーたちは踊り続け、その遺産を継承したのだ。ロシア革命、世界大戦など、激動の20世紀の中、バレエ・リュスの団員達はアメリカ、オーストラリア、そして南米へ、世界中を旅してバレエを運び、根付かせた。本作は伝説のバレエ団〈バレエ・リュス〉の半世紀に及ぶ“旅”を、かってのダンサーたちが語る真実と、貴重なアーカイブ映像で綴った感動のドキュメンタリーである。
映画は2000年に開催され、100人もの元団員が集まった「同窓会」でクライマックスを迎える。80歳、90歳になったダンサーたちが語る、踊る歓び、生きる歓び。バレエという一瞬の芸術に生きた人々のドラマティックな人生が、バレエを知らない観客にも感動をもたらし、<バレエ・リュス>の伝説は永遠に語り継がれていく。
彼らこそ華麗なるバレエ史のミッシング・リング。
これは、舞台を愛し、人生を愛し、世界にバレエを運んだ人々を描くバレエ版『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』だ。(京都シネマ・タニグチマサキ)
映画は2000年に開催され、100人もの元団員が集まった「同窓会」でクライマックスを迎える。80歳、90歳になったダンサーたちが語る、踊る歓び、生きる歓び。バレエという一瞬の芸術に生きた人々のドラマティックな人生が、バレエを知らない観客にも感動をもたらし、<バレエ・リュス>の伝説は永遠に語り継がれていく。
彼らこそ華麗なるバレエ史のミッシング・リング。
これは、舞台を愛し、人生を愛し、世界にバレエを運んだ人々を描くバレエ版『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』だ。(京都シネマ・タニグチマサキ)
作品情報
- 出演:アレクサンドラ・ダニロワ、アリシア・マルコワ、イリナ・バロノワ、ほか
- 監督・脚色:ダニエル・ゲラー、デイナ・ゴールドファイン
- 音楽:トッド・ボークルヘイド
- 製作年:2005
- 製作国:アメリカ
- 配給:ファントム・フィルム
- 時間:118分
- ジャンル:ドキュメンタリー
- 原題:Ballets Russes
- 公開日:08/05/31
- →京都シネマの上映情報
こちらでレビューを読んで興味を持ち、観に行ってきました。
バレエリュスというと、パブロワやニジンスキーら花形スターが活躍したディアギレフ時代に焦点が当たりがちですが、これはディアギレフ没後のバレエリュス。“バレエ史の名花”ダニロワ、20世紀最高の米国人ダンサー・トールチーフなど、元ダンサーたちの映像と舞台華やかなりし頃の映像と写真がふんだんに盛り込まれ、また、多くの出演者のインタビューをうまく編集してあったと思います。カンパニーの分裂、戦争や景気の変動のほか、内部の対立、興行元との確執などなど…あまり“キレイ”でない裏のゴタゴタまで語られていて、ちょっと笑える部分も。
作中、90歳を越えてなお舞台で活躍するフランクリンが舞台メイクをしながら語った「一度舞台で脚光を浴びた者は、舞台を去りがたい。ずっと関わっていたいんだ」という言葉にうなずき、最後のマルコワの「報酬なんてあってもわずか。この人と踊れるなら…この踊りを踊れるなら…それだけで踊った」という言葉は胸に響きました。彼らにとって、踊ることことが人生、まさに“生きる悦び”だったのですね。