城陽市で子どもの教育環境、健康にかかわる長年の住民要求が実現しました。小中学校全普通教室へのクーラー設置と子どもの医療費無料化制度の中学校卒業までの拡充が、新年度当初予算案に盛り込まれました。市民の運動と日本共産党の論戦の成果です。

全小中教室にクーラー・中卒まで医療費無料

共産党の河村明子市議候補、かめい成美府議候補子育て世代に要求実現を
報告する共産党の(左から)河村明子市議候補、かめい成美府議候補

 実施は、クーラー設置が新年度から中学校(5校)に、小学校(10校)には再来年度から2カ年で着手します。子どもの医療費無料化制度は、入院で中学校卒業まで、通院で小学校卒業まで現物給付(200円負担)でしたが、今年9月から通院も中学校卒業まで拡充する予定。昨年9月に通院を「小学4年生まで」から拡充したばかりで、連続拡充になります。
 小中学校へのクーラー設置は、府南部で城陽市と木津川市、精華町を除く全自治体が今年度までに実施。子どもの医療費無料化制度についても、周辺の八幡市、京田辺市、井手町などが入通院とも中学校卒業まで拡充しており、“遅れた”自治体となっていました。
 両要求とも15年来、宇治久世教職員組合と保護者が毎年、教育環境をめぐる要求を求めた請願署名で実現を求めてきたもの。毎回2000人以上の署名を提出していますが、否決。市側も「耐震化工事を優先」と消極的な立場でした。しかし、市議会で唯一請願採択に賛成してきた日本共産党市議団が毎年の予算要求や一般質問で繰り返し取り上げて実現を迫るなかで、他会派も要望するように変化。市も一昨年の市長選後、「具体的に検討する」と答弁していました。
 小学4年と1年の男児2人の母親(40)は、長男が花粉症で目薬代2500円が必要だったとのべ、「これから『がまんして』と言わなくてすむのがうれしい」と話します。また、中学3年、中学1年、5歳、3歳の子どもの母親(42)は、2番目の子どもが生後すぐに心臓の病気を患って以降、定期検診を年に1、2度受けているとして、「お隣の井手町や京田辺市では中学校卒業まで無料で、なんで義務教育期間に無料にならないのかと思っていた。拡充はうれしい」と語ります。
 宇治久世教職員組合の下川勝広書記長は、「毎年、取り組んできた署名の成果だ。署名では『給食費の無料化』『老朽トイレの改善』も掲げており、実現に向けてさらに奮闘したい」と話しています。(「週刊しんぶん京都民報」2015年3月8日付掲載)