京都市が、京都・嵐山地域にある旅館の工事変更を「事前に確認・了承した」とする文書を非公開にした問題で、中島晃弁護士らが26日、工事許可にかかわる「文書」を直ちに公開するよう求める要望書を門川市長に提出しました。
 嵐山一帯は、風致地区に指定され、現状変更は厳しく規制が行われている区域。旅館工事は、星野リゾート(長野県)が、「星のや京都」(西京区嵐山元禄山町)開業に際して行ったものです。同社は、大幅な現状変更しないことを条件に市の許可(08年9月)を受けながら、貯湯槽の新築や大規模な造成を行うなど、当初の許可内容から大きく逸脱する工事を行っていました。
 中島弁護士らは10年11月、事実経過を記録した文書の公開を要求しましたが、市は「経過を記録したものはあくまでメモ。すでに廃棄した」として非公開を決定(同年12月)しました。
 「要望書」は、市情報公開・個人情報保護審査会が、市の決定取り消しを答申(11年12月7日)したことを受けて行ったものです。
 答申は、「事実経過を記録した文書の中に、仮設工作物として許可された貯湯槽に関わる文書も含まれる」として、「仮設許可にかかわる文書を公開すべき」としました。また、経過を記録したメモが廃棄されたことについて、公文書の作成・管理の観点から「改善が必要」と指摘しています。
 「要望書」では、○文書の公開○廃棄したとするメモの発見・再現に努めること○公文書の作成・管理のあり方を根本的に見直すことーを求めています。