日本共産党も参加する「市民のための市政をすすめる八幡市民の会」は23日、八幡市長選についての見解を発表しました。見解の全文は次の通り。


 「市民のための市政をすすめる八幡市民の会」(以下「市民の会」)は、23日、市長選挙に立候補を表明した長村善平氏と基本姿勢と基本政策で合意し、選挙をすすめるうえで協議機関を設置することを確認したので、「市民の会」として長村善平氏を支持することを決定しました。
 本市長選は、明田自民党市政の継続か、市民本位の福祉、暮らし応援の市政の実現かが問われる市長選挙です。
 明田市政の4年間に、国保料、学童保育料、学校給食費の値上げ、介護保険利用料助成廃止、国保料や市民税の低所得者向け減免の改悪などを繰り返してきました。明田市長は「原発ゼロ」を明言せず、市の防災計画に不備があっても根本から見直そうとしていません。
 「市民の会」は、これまでにも市長選をたたかい、市民の願い実現のとりくみをすすめてきました。「市民の会」が行っている「市民アンケート」にはすでに450通もの切実な願いなどの回答が寄せられています。
 「市民の会」は、市民の願い実現、市民の声を生かした市政実現にむけて今回の市長選挙をたたかうために、11月13日、前回選挙をたたかったひなご大介氏に立候補を要請し、ひなご氏から出馬の決意を得て、12月8日の「市民の会」幹事会でひなご大介氏の擁立を決定しました。
 一方、前回選挙に立候補した福田勇氏から、今回の市長選挙にあたって「明田市政の転換」めざして協議したいと「市民の会」にもちかけられました。「市民の会」は協議にあたっては「2点の前提」を明確にすることが必要と訴えました。

「2点の前提」
  1. 8年前の市長選に際しての信義に反する行動への反省と謝罪
     前々回の市長選挙にあたって、「市民の会」と福田氏との間で政策的合意にいたった。しかし、その後「市民の会とは支持の要請はしておりませんし、選挙戦にあたっては共闘はなく、今後もそのようなことはありません」という覚書を候補者と民主党京都府連との間で結んだことが明らかになった。
     これらの行為は、「市民の会」に結集する人たちと福田氏らとの信頼関係を大きく損なうものであり、この誤りを認め、明確な謝罪が必要であること。
  2. 明田市政の評価をめぐって
     八幡市議会において共生クラブ・民主党の議員は、明田市政4年間の予算・決算に賛成してきたことについて、明田市政の転換をいうなら、何をもって明田市政を変えようとしているのか、これまでの明田市政の評価と市政改革の方向をどう市民に示すかを明確にすること。

 「2つの前提問題」について福田氏側は、「市民の会に失礼な対応があり申し訳なかった」「市議会で予算・決算に賛成してきたことは問題だったと思う」との表明がありました。
 この確認のうえで本格的協議に入ることにしました。
 協議に際しては「2つの基準」と「3つの留意点」を踏まえて臨みました。

 「協議にあたっての2つの基準」
  1. 政策的一致
  2. 共同をすすめる誠実な態度、信頼関係の確立

 さらに次の「3つの点」に留意して話し合いをすすめてきました。

  1. 民主党政権のもとで消費税増税や社会保障の削減、TPP参加など自民党以上の悪政をすすめられようとしており、国会内外のたたかいも重要なヤマ場のなかでの市長選挙になること
  2. 8年前のことがあるだけに約束や合意事項が確実に履行される保証が必要であること
  3. 「市民の会」が推す候補としてひなご氏が出馬の決意をしていること

 以上の点を踏まえ、ていねいで誠実に協議をすすめた結果、消費税増税反対、原発ゼロをめざす、TPP参加反対、子どもの医療費の中学卒業までの無料化、上下水道料金の負担軽減、住宅改修助成制度など重要な政策で一致を確認するとともに、「市民の会」と候補者が政策で合意し、その内容を公表すること、候補者、確認団体、「市民の会」で選挙をたたかう連絡調整機関を設置することなどを確認しました。
 こういう協議をすすめてきた最中の12月19日に、民主党府連が長村氏の推薦を18日の幹事会で決定したことが「京都新聞」に報道されました。「市民の会」は協議のなかで福田氏らに候補者の出馬表明以前に民主党の推薦が行われ、公表されることは、これまでの信頼関係を反故にするものと、厳しく批判しました。
 新聞報道に対し、長村氏と大野府会議員は、21日に記者会見し、18日の民主党京都府連の推薦決定について、「関係者と協議をしている最中、…民主党推薦決定の報道がされたことは不本意」であり「(民主党の推薦決定は)もとに戻して出馬表明後に」することを民主党京都府連に要請することを明らかにしました。
 「市民の会」は、これまでの協議の到達に立ち、23日の長村氏の出馬表明を確認し、長村氏から支持の要請があったので、同日に幹事会を開催し、長村氏の支持を決定しました。
 「市民の会」は消費税増税反対、原発ゼロをめざすこと、TPP交渉参加反対、子どもの医療費の中学校卒業までの無料化、上下水道料金の負担軽減など長村氏と合意した政策の内容を広く市民に訴えて、市長選挙勝利のために全力を尽くす決意です。