「『非正規』をなくす方法」 来年2月予定の京都市長選に出馬表明をした中村和雄弁護士をパネリストに、「『非正規』をなくす方法」と題するシンポジウムが11日、京都市中京区のラボール京都で開かれ、160人が参加しました。主催は京都総評や京都パート・非常勤ネット、自由法曹団京都支部、労働法制京都連絡会、中田衛一ネットなど7団体。
 中村氏と、同タイトルで共著した龍谷大学教授の脇田滋氏もパネリストを務めました。
 中村氏は、日本財界が「柔軟な労働市場で解雇の自由な国」とモデルにするデンマークの実態を紹介。社会保障の自己負担が少ない上、労働組合と使用者団体の労働協約で実際は解雇しにくく、整理解雇数も臨時職解雇数も日本より少ないとのべ、「財界がこれ以上、柔軟な労働市場を導入すれば貧困はますます増える」と批判しました。
 また京都市の非正規雇用の率が45.2%(07年)で政令市中最も高いと指摘し、「市民の安全や暮らしと関わる公契約で高いサービスを保障し、労働条件も充実させるため、公契約条例の実現に取り組みたい」と訴えました。
 脇田氏は、生活保護水準の年収200万円以下で生活する労働者が4人に1人にいるとのデータを示し、非正規雇用の割合と重なると指摘。「世界では『同一労働同一賃金』が当たり前で、雇用が不安定でかつ待遇まで差別されているのは日本だけ。差別的な働き方をなくすべき」と訴えました。
 また、非正規雇用の拡大は「偽装請負の合法化や女性差別を雇用形態差別にすり替え、労働者の分断・労働組合の弱体化、などを狙ったもの。全労働者が団結して、はねかえしていくたたかいが必要」と述べました。