憲法9条京都の会集会 「憲法9条京都の会」は憲法公布の日にあたる3日、京都市東山区の円山音楽堂で「生かそう憲法 守ろう9条11・3憲法集会in京都」を開き、1400人が参加。集会では、憲法審査会の始動や比例定数削減の動き、尖閣諸島周辺での漁船衝突事件に端を発した中国への強硬姿勢をあおる論調など、9条擁護の世論と改憲勢力との激しいつばぜりあいが続いているとして、「憲法が掲げる『恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利』は不断の努力によってしか実現できない。憲法守ろうの声をあげ、大きく輪を広げよう」とのアピールが採択されました。
 主催者を代表して黒木順子代表世話人が、「この集会の熱気を地域、職場に持ちかえり、憲法を守ろうという声をあげ大きな力にしていこう」と呼びかけました。「比例定数削減は民主主義の危機」と題して、小堀眞裕立命館大学教授が講演しました。
 小堀氏は国会で比例定数削減が行われようとしていることについて、日本の国会議員数が先進国の中で3番目に少ないことや、小選挙区制度をいち早く進めたイギリスで2割の投票率で議席の6割を占める制度では、少数意見が反映されないことから投票率が下がり選挙制度を見直す動きが出ていることを紹介し、「比例代表制を180から100に削減すれば少数意見を反映しなくなってしまう。少数意見を反映できない選挙制度は世界の流れに逆行している」と述べました。
 そして、「政治家が身を削る」を理由にしていることについて、「本末転倒。政治は国民の声を聞き、きちんとした政治を行えば支持されるはず。それをしていないから身を削るなどと言う発想が出て来る」と批判しました。
 舞台では63年前に新憲法公布を記念して円山公園で京都市民3万人が踊ったといわれる「平和踊り」が再現され、ステージと観客が一体となって踊りました。当時、踊った川井禎子さん(79)=中京区=がもう一度踊りたいと呼びかけたところ、レコードを持っている人や振り付けを覚えている人が名乗り出て、実現したもの。川井さんは「こんな機会を与えてくれて本当にうれしい。今後も戦争体験と合わせて踊りも普及していきたい」と話していました。
 集会に向け、京都市役所前、百万遍など市内4カ所からの求心デモには900人が参加。「憲法を暮らしに生かそう」「日本に米軍基地はいらない」とシュプレヒコールでアピールしました。