「秘密保護法の廃止に向けて何ができるのか」――同法の強行採決を受け、小笠原伸児弁護士(「憲法9条京都の会」事務局長)が緊急学習会(特定秘密保護法に反対する京都府民有志が昨年12月20日に開催)で講演した要旨を紹介します。

国会チェックはデタラメ

小笠原伸児弁護士 法の危険性について、今回は市民運動の立場から考えたいと思います。
 第1は、特定秘密の指定が行政機関の長の裁量に委ゆだねられており、国会も含めてその適性をチェックできない仕組みとなっていることです。
 そして、秘密指定は行政機関の長がすることになっていますが、実際には行政官僚が長に進言し、右から左に指定されることになります。特定秘密に指定されれば、国会にも国民にも情報を知らせる必要はありません。
 石破茂・自民党幹事長は国会法を改正して、国会がチェックできるようにしたらいいと発言しています。
 しかし、国会は、行政機関の長から情報の提供を受ける以外に特定秘密を知ることはできません。提供を受けるには秘密会にする必要があり、かつ、行政機関の長が情報を提供してもよいと判断した場合に限られます。法の根幹を変えない限り、国会がチェックすることは不可能です。石破発言はまったくのデタラメです。
 第2の問題は、治安情報が特定秘密とされることです。
 治安情報のひとつとされるスパイ活動(特定有害活動)防止に関する規定では、外国の利益を図る目的のものと定義されており、警備公安警察が、このグループの活動は外国の利益を図ろうとしていると断定すれば、スパイ活動に該当するとして、関係する情報を特定秘密に指定することができます。(「週刊しんぶん京都民報」2014年1月12日付掲載)