「憲法記念 春の集い」(京都憲法会議、自由法曹団京都支部、憲法を守る婦人の会共催)が16日、ウィングス京都(京都市中京区)で開かれ、纐纈厚山口大学教授が「国防軍化をめざす自衛隊を問う―深まる憲法と文民統制の危機―」と題して講演しました。
 90人の参加者を前に纐纈氏は、「自衛隊の中に『現行憲法は日本人の国防意識をそぐものであり、間違っている』という考えがあり、田母神発言のように日本の侵略戦争を美化する発言がみられる。そのような論調を許してはならない」と指摘し、「憲法9条はアジア侵略を反省し、アジアの人たちに2度と刃を向けないと誓ったもの。憲法を守ることが最高の国際貢献になる」と強調しました。
 また海賊対処法について纐纈氏は、「メディアや世論は海賊対策なら仕方がないという議論で終わってしまっており、武力行使の論議が十分にされていない。憲法に違反する武力行使を認めてはならない」とのべ、海賊問題解決には混乱しているソマリア社会への経済・民政支援こそが必要だとのべました。
 集いに先立ち、主催団体のメンバーが三条烏丸で「ソマリア沖への自衛隊派兵は憲法違反です」「憲法を守ろう」と宣伝しました。