京都市立洛陽工業高の男性教諭(52)が、生徒への体罰を繰り返し、市教委から3度の厳重注意を受けながら、優れた指導力を持つ「スーパーティーチャー」に認証されていたことが分かりました。今年2月にも再び体罰を行っていたことが発覚し、市教委は20日、同日付で1カ月の停職処分にしました。男性教諭は同日付で依願退職しました。
 「スーパーティーチャー」は市教委独自の制度(05年7月創設)で、教科指導や生徒指導、部活動指導などで卓抜した力量を有し、模範となる実践をすすめる教員を認証するもの。男性教諭は、同校男子バレーボール部を府内トップクラスに育てた指導力を評価され、05年9月に初代スーパーティチャー30人の1人に選ばれました。
 しかし、男性教諭は、同校へ異動前の市立中学校勤務時の97年から01年にかけて授業や部活動指導で3度の体罰を行い、市教委から厳重注意を受けていました。今年2月に4回目の体罰が発覚しましたが、男性教諭は4月から病気休暇に入っていたため、市教委は懲戒処分を見送り、認証も取り消していませんでした。
 京都市教職員組合は21日、市教委にたいして、懲戒処分にいたるまでの事実経過を明らかにすることなどを申し入れました。新谷一男委員長は、男性教諭の体罰について、以前から市教委にやめるよう同教組として指導を申し入れてきた経過があるとのべ、「体罰を繰り返していることを知りながら、部活動の実績でスーパーティーチャーに認証したことは問題。処分にいたるまでの市教委の対応や同認証制度そのものの問題についても追及していきたい」と話しています。