おでかけレポート

杉本家祇園会屏風祭、納涼茶会へおでかけ

俵屋宗達「秋草屏風」を“特別な灯り”で拝見!

祇園祭茶席  12日開催した、あめや藤本さんでの「夏のお茶会」、杉本家「祇園会屏風祭」を楽しむイベントには10人の方がお越しになりました。

 京の夏らしく、汗だくの夜でございました。
 蒸し暑さの中、ほとんどの方が着物でのご参加。浴衣のNさん、Mさん、越後上布のAさん、絽をお召しのUさん…それぞれに皆素敵でした! 夏の着物は目に涼しく、本当に贅沢なものでございます。
祇園祭茶会 まずはあめやさんに集合いただき、抹茶の接待。
 お茶会は、名水点てと祇園祭をテーマにした室礼でお楽しみいただきました。涼しげな瀧のお軸、茶碗の銘は「朝つゆ」、主菓子は「氷室」、茶花は鮎籠に槿が一輪…と、すべてが“涼”を感じさせる室礼。
 棗は「蘇民将来子孫也」の山中塗蒔絵中棗。もちろん、祇園祭の時期だけに使われる意匠です。涼しげなギヤマン(ガラス)の水指の蓋には鶏鉾の扇子を。茶杓の銘は「祇園会」。越前竹細工の長刀鉾香合も可愛らしく、お祭りの華やかな気分を盛り上げます。
 時節にあった素敵な室礼と、暑さを忘れて楽しんでいただきたいという席主の心尽くしにつつまれ、お茶の準教授でもある藤本最慶さんのお点前で、しばし涼しげな風情を楽しみました。
 初参加のNさんは「こんなに近くでお点前が見られて、丁寧な説明で感激!」と何度もお道具を拝見。同じく初参加のUさんも「お茶、習いたい」と携帯カメラで撮影に集中しておられました。
杉本家祇園会屏風祭 お茶会の後は、杉本家へ徒歩で移動。
 杉本家では、保存会会員の方たちが50人ほど入っておられ、すでに満員状態でした。
 氷柱やお茶、粽饅頭、樽酒などが振舞われ、少し落ち着いたところで、平家物語の琵琶の演奏が始まりました。蠟燭(ろうそく)の灯りに琵琶の音、しばし思いは鎌倉時代へ…。
 20時ごろから人が引き始め、ゆっくりと屏風を見ることができました。
 杉本家の歌子さんによれば、俵屋宗達の「秋草図屏風」には、金地の上に萩、ススキ、桔梗、女郎花、小菊、秋海道、サンキライ、葛、藤袴、薊、撫子が描かれています。蠟燭で見ると花が浮き上がり、野にあるように見えます。耳を澄ませば虫の音が…。
 このほか、「未草」「菊図時代屏風」なども飾られ、夏の夜の夢を楽しませていただきました。
 暑い中、がんばって着物でお出ましいただいた皆さま、お疲れ様でした。夏の着物は「気合い」がいるものですが、逆に「浴衣」というお手軽な選択肢もあります。この夏も、ぜひ素敵な着物や浴衣を楽しんでくださいね!
 ご参加いただきました皆さま、ありがとうございました。