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おでかけレポート

杉本家で冬のおばんざいをいただきました

1月25日、杉本家で冬のおばいざいをいただく会を開催しました

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料理の説明をしてくださる節子さん

 今回で2回目となった杉本家での「おばんざいをいただく会」。
 25日は雪が舞い、しんしんと底冷えのするお日和でしたが、お着物姿の女性ら20人が参加し、冬の温かいおばんざいをいただきました。
 おばんざいを作って下さったのは料理研究家で杉本家次期当主を務める杉本家次女の節子さん。
 お料理が出るまでの間は、杉本家3女の歌子さん([財]奈良屋記念杉本家保存会・学芸員、古文書調査研究会主任)から、江戸期から続く杉本家の歴史や料理、暮らしぶりを綴った「歳中覚(さいちゅうおぼえ)」などについて紹介いただき、邸内も案内していただきました。

淀大根の風呂吹き、お新香、黒米入りご飯、粕汁

 おばんざいは、しょうがとクコの実がはいった白湯(さゆ)でスタート。
 次に登場したのは「しめ鯖のきらず和え」。“きらず”とは、おからのこと。しめ鯖に、雪のように白くてきめ細かくふんわりしたおからがまぶされた品です。おからとは思えぬ繊細な味わいで初めての食感でした。
 続く「水菜と凍りこんにゃくのおひたし」。こんにゃくはクジラベーコンに似た歯ざわりで、水菜の味付けはほぼ出汁の味がそのまま生かされた、いかにも「京のおばんざい」らしい味わい。
 「淀大根のふろふき」の淀大根は冬しか作らない京野菜で、白味噌田楽とゆずの優しい甘みが口に広がります。

水菜と凍りこんにゃくのおひたし

  メインとなるのは「粕汁」。節子さんのお母さん、千代子さんのご実家は伏見区の銘酒「英勲」の醸造元。酒蔵から届いた搾り立ての板御神酒(酒粕)が味を引き立てます。
「このおいしさを生かすのは昔ながらの京野菜。大根、京人参、ごぼう、お揚げ…、仕上げには芹がお決まりです」と節子さん。黒米ご飯に、そしてもちろんお漬物も自家製です。
 デザートは千代子さんお手製の「柚子餅(ゆべし)」に、庭で取れた蓬の若葉。
 すべて出汁をひいて作ったものばかり、手作りの味をみなさん堪能した様子でした。

さまざまな質問が飛び出します

 料理を終えた節子さんには参加者から次々と質問が。 「きらずはどうやって作るんですか?」 「だしは何を使っていますか?」 「白味噌は火を通しているんですか?」 「私も作ってみたい」…などなど…

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千代子さんからいろいろとお話をうかがいました

 洋装でお越しの方も、「着物が好き」「日本の古いものが好き」という方ばかり。食事をしながら皆さんには自己紹介していただき、会場は和気藹々とした雰囲気に。お越しくださった方々は、「京都民報Web」や「週間しんぶん京都民報」読者、チラシを見てなど、さまざまでした。

 自己紹介の中でも、着物でいらした方々は、それぞれに本日お召しの着物の由来を語られたり、「着物暦」を披露したり…と、着物好きにとっては他の方の着物話を聞くのも楽しいもの、さまざまに話に花が咲きました。今回は洋服でいらした女性も、「次回はぜひ着物で来たい!」とのご感想でした。

 ご友人とご夫婦3人で着物でいらしてくださったKさんは大島の落ち着いた装い。「こんなイベントを待っていました」とおっしゃる、着物が大好きだというMさんは、はるばる宮津からいらしてくださいました。
 ピアノ教師のHさんは、ピアノの鍵盤柄の帯に、帯揚げも音符柄と、楽しい装い。同じくピアノを教えておられる千代子さんと音楽談議に盛り上がりました。
 お嬢さんらしい可愛らしい小紋をお召しのお若い方は、着物を着るのはまだ2回目とのことで、初々しい雰囲気。白地お召しに宝尽くしの帯を合わせたお嬢さんは、お祖母様のお着物だとか。3世代にわたって着続けられるというのも、着物ならでは。
 お母様ゆずりの小紋を上手に着こなしておられたKさんは、4月の雛膳の会にもご参加いただきました。あれから着付けの練習をなさっていたとのこと、上達されましたね~と話題に。

 前回お会いした方と再会したり、初めてお会いした方とも趣味の話で盛り上がったりと、料理もさることながら、一番のご馳走は皆さんとの会話だったでしょうか。心のこもったお料理をいただきながら、身も心も温まった一日でした。
 ご参加いただいた皆様、お疲れさまでした。