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July 30, 2008

ディーンズ株急上昇! ワラビーズ、ABsに快勝

トライネイションズ2008第4戦 オーストラリア‐ニュージーランド(7月26日、オーストラリア・シドニー)

author:テツヤ

 先週W杯チャンピオン・南アフリカに快勝し、見事なスタートを切ったロビー・ディーンズHC率いるオーストラリア・ワラビーズ。一方、まさかの大逆転負けを喫し、国内での連勝が30で止まったニュージーランド・オールブラックス(ABs)。ブレディスローカップがかかるだけでなく、昨年W杯敗退後、ABsヘッドコーチに待望する声が大きかったニュージーランド人のディーンズHCの初の母国対戦も注目の一戦。

 キックオフ直後からワラビーズがABs陣内で猛攻。前半6分、NO8ワイクリフ・パールーの突破からパスを受けたSOマット・ギタウがディフェンスにギャップを突いて走りこんだところを、LOブラッド・ソーンがハイタックル。これがシンビンとなり、ギタウのPGでワラビーズが先制(3-0)。
 ABsが14人となる中、続く9分、WTBロテ・トゥキリのビッグゲインからLOナイサン・シャープが持ち込んでラック、パスアウトを受けてギタウが左サイドに走りこんできたCTBライアン・クロスに回し、トライ。クロスはリーグラグビーからの転向で、カンガルーズ(13人制豪州代表)の経験を持つ。キャプテンのスターリング・モートロックに代わって初スタメンの大役を果たす。キックも決まり、10-0。
 13分、絶好調のSOダン・カーターのランをギタウがビッグタックルで仕留め、ターンオーバー。両SOの対決も熱い。
 24分、自陣クイックリスタートからFBミルス・ムリアイナがゲインし、ショートパント。CTBリチャード・カフィが突っ込み、最後はムリアイナが押し込んでトライ(キック失敗で10-5)。
 33分、ワラビーズボールのスクラムからギタウ→FBアダム・アシュリー・クーパーがゴロパントし、走りこんだトゥキリがディフェンスと接触するも、はじいたところにWTBピーター・ハインズが押さえてトライ(キック成功で17-5)。
 ここからABsが反撃。36分、怒涛の連続攻撃はワラビーズが守りきるも、39分、右サイドへ展開すると見せてHOアンドリュー・ホアが内側に切れ込みトライ(キック成功で17-12)し、前半を終える。

 後半開始早々、カーターがこの日何度と見せた美しいほどのラインブレイクからSHアンディー・エリスがトライ(キック成功)し、逆転(17-19)。
 48分、このゲームのターニングポイントとなる選手交代。FLダニエル・ブライド、ホアがアウト、シオネ・ラウアキ、ケビン・メアラムがイン。
 55分、またもやトゥキリがゲインし、ショートパント。インゴール直前で間一髪SHジミー・カウワンがセーブし、蹴りだすもタッチを切れず、ワラビーズが再びカウンター。アシュリー・クーパーのブレイクに最後はFLロッキー・エルソムがねじ込むようにトライを決め、再逆転(キック成功24-19)。
 1トライ差の白熱の攻防が続く中、66分、ラウアキの痛恨のノッコンで得たワラビーズボールのスクラムからのパスアウトをギタウが値千金のDG成功(27-19)。SO対決はギタウに軍配か。
 73分、またもやラウアキのハンドリングエラーから、パールーがゲイン、最後はLOジェームズ・ホーウィルがトライ(キック成功34-19)し、試合を決めた。
 
 リッチー・マコウの欠場でブレイクダウンに競り負けた感はあったが、とにかくABsはミスが多かった。特に途中出場したラウアキは直接失点につながるミスを連発。ここまで好調だったCTBマア・ノヌーも沈黙。カーターの見事なランブレイクもある意味、攻め手を欠いたゆえのプレー選択に思えるほど、この日の攻撃陣は機能しなかった。
 一方、ワラビーズはギタウ、バーンズの10番・12番コンビがかみ合い、見事にゲームコントロール。確実・堅実にプレーにからむシャープ、力強い突破のパールー、以前の爆発的な走りを取り戻しつつあるトゥキリなど各自がしっかり役割を果たした。ディーンズHCになってからワラビーズは5戦負けなし。ホームでも快勝し、一気にオージーの心をつかんだに違いない。
 次(8月2日)はABsのホーム、イーデンパーク。絶対に負けられない…そんなプレッシャーがことのほかプレッシャーに弱い黒衣の選手たちに襲い掛かるような気がする。

 最終スコアは、34(4T4G1PG1DG)-19(3T2G)

July 29, 2008

陥落! ハウス・オブ・ペイン

トライネイションズ2008第2戦ニュージーランド―南アフリカ(7月12日、ニュージーランド・ダニーデン)

author:スモールフォス

 先週のゲームではSOダン・カーターの正確なキックと安定したスクラムで19-8と世界王者を退け、NZ国内での南ア戦の連勝を30まで伸ばした。今週、「ハウス・オブ・ペイン(お仕置き小屋)」と呼ばれるダニーデンのキャリスブルックで再び世界王者をねじ伏せ、連勝を伸ばせるか。
 
 開始早々からオールブラックス(以下ABs)が積極的に展開。南アの反則やキックミスに付け込み、カーターが確実にPGを決め9分までに6-0とリードを奪う。
 一方南アも積極的にパスをつなぎ確実にゲインを切る。11分、ABsのラインアウトを奪いペナルティを得、モンゴメリーが決め6-3。
 双方ともにボールをつなげば確実にゲインする力を持っている。スクラムは互角、ラインアウトは南アが優勢である。
 13分、南アはFLスカルク・バーガーのハードタックルからボールを奪いキックで敵陣に。しかし反則、そこからのハリー攻撃で一気に返されペナルティ。これをカーターが決め9-3。しかし、18分、ラインアウトでのABsのペナルティ。モンゴメリーが確実にPGを返し9-6。さらに20分にもPGを決め9-9の同点に。カーターも負けじと返し12-9とABsは逆転を許さない。
 ABsは早く大きく展開し、南アディフェンスを揺さぶり続ける。しかし、南アは、多少の乱れはあるものの、激しいタックルを見舞い続けABsのミスを誘う。
 30分、南アはラインアウトの優位性からワイドにゲイン。ゴール前でABsボールのラインアウトに。過去数年、ずっとラインアウトの不安定なABsはここでも乱れ、南アボールのスクラムとなる。新ルールを活かし、NO8'ビッグ'ジョーのサイド攻撃からWTBピーターセンがあっさりトライ
 前半終了間際にカーターがPGを返すも15-17と南アリードで前半を終える。

 後半、相変わらず南アはラインアウトで優勢。モールにおいても新ルールで容認されたモールの引き落としを問題とせずにパワーでゲイン。一方ABsも衰えぬスタミナでボールを大きく早く動かし続ける。
 52分、南アドロップアウトからCTBノヌー、途中出場のNO8ラウアキの強烈な縦を交えながら大きなワイド展開でラウアキのトライ。コンバージョンも決まり22-17と逆転に成功する。
 南アもHOビスマルクが素晴らしいランニング、SHジャニュアリーが再三ラックサイドをつき、CTBデビリアスもワールドクラスの技術を見せつける。60分にPGを返し22-20と食い下がる。
 しかしABsのスタミナに衰えはなく、65分南ア陣22メートルでカーターが振り向きざまの見事なDGを決め25-20と差を広げる。 しかし、直後の66分、この日再三ラインアウトでの反則を犯していたABsのLOトンプソンがまたもペナルティ。これをSOブッチ・ジェームスが決め25-23と全く読めない展開となる。
 72分、南ア、世界最高峰のLOマットフィールドがハイタックル。この試合、双方幾度も注意を受けていたため、シンビンとなり、南アは残り8分を14人で戦うことに。さらにこのPGをカーターが決め、28-23で勝負ありと思われた。
 しかし、74分、キックカウンターから南アSHジャニュアリーがこの日再三突いていたラックサイドを突破。ショートキックを自らキャッチしトライ。コンバージョンも決まり28-30と逆転。
 残り5分、ABsが攻め続け、南ア陣内に。落ち着いてカーターがDGを決めれば劇的な逆転勝利となる展開に。しかし、なかなかいい位置にはたどり着かない。やっとカーターがDGを狙うも外れてしまう。ノヌーの突破であと少しというところへ来ても反則。ABsの負けパターンにはまっていく。
 終了間際、カーターが再びDGを狙うもチャージに遭い、ターンオーバー。ノーサイドとなった。

 ホームチームが圧倒的に強いことから、「ハウス・オブ・ペイン」と呼ばれるキャリスブルック。ABsは南アに国内では10年間負けておらず30連勝中。キャリスブルックでは87年の歴史で負けたことが無かった。いくら南アが世界王者であっても、この試合に負けることは許されない。そんなプレッシャーに負けてしまったABs。W杯からの成長は無いと考えるしかなく、NZのラグビー人気が心配である。
 一方南アは、間違いなく世界一の激しさでついにジンクスを打ち破った。チームのまとまりさえあればやはり強い。後半戦のホームゲームが楽しみだ。

 最終スコアは、28(1T1G6PG1DG)‐30(2T1G5PG1DG)

July 25, 2008

部員大募集!!

 きょーみんラグビー部では、「熱戦ノート」や「ラグダス」など各コーナーで執筆してくれる「部員」を募集しています。ラグビー経験や年齢・性別を問わず、ラグビーが大好きな人なら大歓迎です。申し込み、問い合わせは、こちらのきょーみんラグビー部入部申込みフォームから。

July 24, 2008

いよいよ激突! ディーンズ・ワラビーズvsオールブラックス

トライネイションズ2008第4戦レビュー オーストラリア対ニュージランド(7月26日、オーストラリア・シドニー)

author:テツヤ

 現在はトライネイションズの一環になっていますが、両国の対戦は「ブレディスローカップ」と呼ばれる1931年から続く伝統ある定期戦です。
 両チームとも出場メンバーが発表されています。オーストラリア・ワラビーズは、キャプテンのスターリング・モートロックが先週南ア戦での脳震盪が原因で欠場。ライアン・クロスが代わって初スタメンです。ゲームキャプテンはジョージ・スミスが務めます。
 ニュージーランド・オールブラックスは、けがから復帰し出場可能性もあったリッチー・マコウは結局欠場し、ダニエル・ブレイドが5年ぶりにスタメン。ゲームキャプテンは引き続きロドニー・ソーイアロ。
 この試合はなんといっても、ロビー・ディーンズHC率いるワラビーズがオールブラックス相手にどんな戦いを見せるのかがポイント。ディーンズ氏はニュージーランド人でオールブラックスのキャップを持ち、スーパー14ではクルセーダーズを5度の優勝に導いた名将です。昨年のW杯敗退後にはオールブラックスHC就任の可能性もあっただけに(結局、グレアム・ヘンリーHC留任)、否が応でも注目の集まる一戦になりそうです。

◎オーストラリアスコッド
  1. ベン・ロビンソン
  2. スティーブン・ムーア
  3. アル・バクスター
  4. ジェームス・ホーウィル
  5. ナイサン・シャープ
  6. ロッキー・エルソム
  7. ジョージ・スミス(C)
  8. ワイクリフ・パルー
  9. ルーク・バージェス
  10. マット・ギタウ
  11. ロテ・トゥキリ
  12. ベリック・バーンズ
  13. ライアン・クロス
  14. ピーター・ハイネス
  15. アダム・アシュリー・クーパー

    リザーブ:

  16. タタフ・ポロタナウ
  17. マット・ダニング
  18. ダン・ヴィッカーマン
  19. フィル・ウォー
  20. サム・コーディングリー
  21. ティマナ・タフ
  22. ドリュー・ミッチェル
◎ニュージーランドスコッド
  1. トニー・ウッドコック
  2. アンドリュー・ホア
  3. グレッグ・サマヴィル
  4. ブラッド・ソーン
  5. アリ・ウィリアムズ
  6. ロドニー・ソーイアロ(C)
  7. ダニエル・ブレイド
  8. ジェローム・カイノ
  9. アンディー・エリズ
  10. ダン・カーター
  11. シティヴェニ・シヴィヴァトゥ
  12. マア・ノヌー
  13. リチャード・カフィ
  14. アンソニー・トゥイタヴァキ
  15. ミルス・ムリアイナ

    リザーブ:

  16. ケビン・メアラム
  17. ジョン・アフォア
  18. アンソニー・ボーリック
  19. シオネ・ラウアキ
  20. ジミー・カウワン
  21. ステファン・ドナルド
  22. コンラッド・スミス

July 22, 2008

南アに快勝、力示したディーンズ・ワラビーズ

トライネイションズ2008第3戦 オーストラリア‐南アフリカ(7月19日、オーストラリア・パース)

author:テツヤ

 第2戦でニュージランド国内で10年ぶりとなる勝利をあげた南アフリカ・スプリングボクス。ホームで迎え撃つオーストラリア・ワラビーズは、スーパー14・クルセイダーズを常勝軍団に育て上げたロビー・ディーンズヘッドコーチのトライネイションズ初采配となる注目の一戦。

 南アは、50メートル5秒フラットのスピードを持つNO8ピエール・スピースと至宝フランソワ・ステインをスタメン起用。オーストラリアは、LOナイサン・シャープ、NO8ワイクリフ・パルー、WTBロテ・トゥキリがそろってけがから復帰し、ベストメンバーで臨んだ。

 前半からワラビーズはSOマット・ギタウ、CTBベリック・バーンズのゲームコントロールで積極的にボールを動かす。トゥキリ、CTBスターリング・モートロックらの突破で南ア陣内に攻め入るも、出足早く分厚いディフェンスの前にハンドリングエラーが続く。
 7分にCTBステインがPGを決め南アが先制する。南アもCTBピーター・デヴィリアス、スピースらがラインブレイクするもワラビーズが踏ん張る。そして前半35分、ワラビーズは南ア陣内でのラインアウトからのボールを受けたWTBピーター・ハイネスがラインブレイク、ラックからすばやいパスアウトで左サイドへ展開。最後はトゥキリがトライし、逆転(キック失敗)。5-3で前半終える。

 後半に入ってもワラビーズが攻める。後半4分、南ア22メートル陣内でゴール正面のスクラムから左サイドに一気に展開。ディフェンスのギャップを突いたモートロックがFLジュアン・スミス、WTBピーターセンら3人を引きずりながらインゴールになだれ込み、追加点を奪う。10-3(キック失敗)。その後双方PGを決め、13-6。
 ここから一歩も譲らない攻防の連続で互いに得点を許さない。30分、ワラビーズが自陣ゴール前のスクラムで痛い反則。ステインがPGを決め13-9と4点差まで詰め寄る。しかし38分、バーンズが値千金のDGを成功し、16-9として試合を決めた。

 試合前までは南半球3カ国の中では選手層も薄く、少し力は落ちるのではといわれていたワラビーズ。ディーンズヘッドコーチの力が試されたこのゲームで最後まで勝ちきる姿勢を見せた。復帰組のシャープ、パルー、トゥキリらの頑張りが後押しした思う。南アはアウェー3戦目となり、少し疲れた見えた様子。しかし、これで今年のトライネイションズは混沌としてきて面白くなってきた。来週26日の第4戦ニュージーランド対オーストラリアが楽しみだ。

 最終スコアは、16(2T1PG1DG)-9(3PG)

July 19, 2008

南ア、世界ランク1位再奪取

 昨年W杯チャンピオンの南アフリカは、5日開幕したトライネイションズ第1戦のニュージーランド戦に敗れ、IRBランク1位を明け渡していましたが、第2戦の歴史的勝利(NZ国内で10年ぶり)で再び1位に返り咲きました。以下、7月14日発表のIRBランキングです(カッコ内は前週)
  1. (2) 南アフリカ
  2. (1) ニュージーランド
  3. (3) オーストラリア
  4. (4) アルゼンチン
  5. (5) イングランド
  6. (6) ウェールズ
  7. (7) フランス
  8. (8) アイルランド
  9. (9) スコットランド
  10. (10) イタリア
  11. (11) フィジー
  12. (12) サモア
  13. (13) トンガ
  14. (14) グルジア
  15. (15) カナダ
  16. (16) 日本
  17. (17) ルーマニア
  18. (18) ロシア
  19. (19) ウルグアイ
  20. (20) アメリカ
author:テツヤ

July 16, 2008

サモア

author:スモール・フォス

サモアのエンブレム「南十字星と椰子の木」 この世に数ある格闘技。その中に必ずと言っていいほど出てくるのが「サモアの怪人」である。大相撲の元横綱曙も出身はハワイではあるがサモアンの血を引いている。もちろん格闘技の要素をふんだんに含むラグビー界も例外ではない。サモア代表だけにとどまらずオールブラックスを筆頭とする強豪国の中においても「サモアの怪人」の存在は大きい。サモアの人口が20万人弱であることを考えれば、いかに格闘技の好きな、強靭な肉体を持つ民族なのかがわかる。

 サモアのラグビーはまさに格闘技である。筋肉ムキムキの肉体を前面に出し、パワー全開のスクラム、激しい肉体のぶつけ合いを楽しむラグビーである。
 小国ながら世界ラグビー界に欠かせない存在ではあるが、小国ゆえに財政的問題も大きい。国内にとどまるよりも近隣の経済力のある強国へ移り、そこで代表を目指す選手も多い。また近隣に限らずヨーロッパの強国からも、いわゆる「青田買い」が行われ、サモア国内の若く有望な選手たちが次々に国外へ流出してしまっているのが現状である。IRBを筆頭にし、ラグビー界には絶対に欠かせないサモアのような小国に対する大きな資金援助が継続的に行われなければならない。
 世界各国へ散らばっているサモアンたちが集結し一致団結したサモア代表は、列強にとって最大の脅威になることは間違いなく、世界で最も激しく痛いラグビーが生まれるはずである。

  • エンブレム…南十字星と椰子の木&マヌー(伝説の英雄)
  • チームネーム…マヌー・サモア
  • ヘッドコーチ…ニコ・パルモ
  • キャプテン…セモ・シティティ
  • W杯最高成績…ベスト8(‘91、‘95)

グレーガンがやって来る!

 9月5日開幕のトップリーグ(TL)で、日本ラグビー史上最高の助っ人がやってきます。「世界最高のスクラムハーフ」と呼ばれた元豪州代表キャプテンのジョージ・グレーガン選手です。サントリーサンゴリアスでプレーします。
 グレーガンは1973年、ザンビア・ルサカ生まれ、オーストラリア・キャンベラ出身の35歳。94年イタリア戦を皮切りに、3度のW杯(99年、03年、07年)に出場。歴代最高の139キャップを持ち、文字通り世界最高の選手の1人です。173センチ、79キロと小柄ながら強じんな肉体と抜群のキャプテンシーで、01年からはキャプテンとしてワラビーズを牽引。SOスティーブン・ラーカムとのハーフコンビは世界一と称されました。
 そのプレーを物語るのが、00年シドニーで行われた宿敵オールブラックスとのテストマッチ。3人のディフェンダーを弾き飛ばし、タッチライン沿いを爆走していた196センチ・120キロの巨漢WTBロムーをなんとタックル一撃で沈めたのです。
 サンゴリアス・清宮監督が自身のブログで、「優勝に向けてプレーで貢献してくれることだけでなく、世界のトップの心技体を見せることで、選手たちの見本となってくれることをを期待しています」と語るように、日本のラグビーファンにも素晴らしいプレーを見せてほしいものです。
 今期はなんとグレーガンとハーフコンビを組んだラーカムもリコー・ブラックラムズ(トップイースト)でプレーするほか、元オールブラックス主将のFLルーベン・ソーンもヤマハ・ジュビロ入りなど大物外国人が目白押し。TL開幕が待ち遠しくなってきました。ちなみに大阪・花園で10月19日、サンゴリアス対ジュビロの試合があります。関西在住のファンは見逃せない一戦です。

author:テツヤ

July 15, 2008

アイルランド

author:スモール・フォス

アイルランドのエンブレム アイルランドは2つある。1つはアイルランド共和国。もう1つは英国内の北アイルランド。長らく対立し、度々紛争が起きている。しかし、ラグビー界においてアイルランドは1つしかない。130年以上前からエメラルドグリーンのジャージを着て統一チームとして戦ってきた(サッカーなど他のほとんどのスポーツでは二分している)。ホームユニオンの一員でありIRBの宗主国である。

 伝統的に、高くハイパントを蹴り上げ、落下点にフォワードが殺到してボールを奪うアップ&アンダーという戦法を使う。そしてキックのこぼれ球がなぜかアイルランドの方へ転がるのはラグビー界の歴史的事実である。この極めてシンプルなスタイルを15人全員が愚直なまでに信じきり実行する(この愚直な戦いぶりは他のアイルランドのスポーツにも共通する)。そして幾度も強敵を撃破し、人々の感動を呼んできた。しかし、格上の相手から早い段階でリードを奪ってしまうと、とたんに何をしたらいいのかわからなくなりチグハグなラグビーをしてしまう。このチームに魅せられるファンは多い。

 現在のアイルランドはかつてのような極端なチームではない。最新のラグビー理論を駆使し、大型フォワードと切れ味抜群のバックスとを融合させたバランスのいいラグビーをする。しかし、ここ一番という時にはカリスマキャプテンの下に団結し、伝統のアイリッシュ魂をむき出しにしたアップ&アンダーで見る者の心を打つラグビーを見せる。

 ある選手は、なぜアイルランドはラグビーもサッカーも同じスタイルなのかと聞かれ、「アイルランドは昔からヴァイキングやアングロサクソンの侵略を受けてきた。そんな侵略から島を守るために、我々は全員で力を合わせて愚直に戦うこと事を学んだんだ」と、答えたという。

 伝統国ながら実はまだ、世界最強オールブラックスに勝ったことがない。しかし、伝統の「反骨のアイリッシュ魂」が発揮されれば、オールブラックスを破る日も近い。

  • エンブレム…しろつめ草(シャムロック)
  • ヘッドコーチ…デクラン・キドニー
  • キャプテン…ブライアン・オドリスコル
  • W杯最高成績…ベスト8(‘87、‘91、‘95、‘03)

大逆転生んだ3つのプレー

1991年全国社会人大会決勝 神戸製鋼対三洋電機(18-16)

author:京チャン・菜チャン

 このゲームは、神鋼が黄金時代に入り3連覇をかけたゲームであった。4点差でインジュアリータイムに入ってすぐ、神鋼サイド22メートルライン付近でラックがつくられた。
 神鋼マイボールでSH萩本がボールを出し、SO薮木からCTB平尾、平尾からWTBウィリアムスにボールがまわり、ウィリアムスは自陣22メートルライン付近からタッチラインにそって走り続け、最後は三洋WTBナモアを振り切り、インゴールに飛び込んだ。
 ゴールも決まって逆転。その後ノーサイドの笛がなるというラグビー史上に残る名プレーが完成した。
 この名プレーの中で私は3つのポイントがあったと思う。
 1つは、ラックの中で三洋NO8ラトゥを神鋼NO8大西がジャージをつかみラックからの飛び出しを遅らせたこと。ラトゥが早く動き出せばウィリアムスの走りに大きな影響を及ぼしたと考えられる。
 2つ目は、SOから平尾へのパスがワンバウンドになった。このボールを平尾がうまくすくったこと。そしてきれいにウィリアムスにパスした。
 3つ目は、ナモアに追走されながらもウィリアムスが粘ってゴールポスト下にトライしたこと。これでゴールキックのポジションが真正面となりFB細川のゴール成功につながった。
 このように要因を考えるがやはり神鋼1人ひとりのプレイヤーとしてのスキルの高さとラグビーの基本にのっとったプレーをしていたことが一番重要であったと思う。

Y.M

 事務の仕事をしている25歳OLです。ラグビーを初めて観たのは2年前に西京極球技場で行われた、ヤマハ発動機ジュビロVSサントリーサンゴリアス。それまで、ルールも知らなかったけれど(今も知らないけど…)わくわくするような試合で一度でファンになってしまいました。独自の視点でルールの分からないところやイケメンラガーマンを紹介していきたいです。
◎好きなチーム、選手…ヤマハ発動機ジュビロ、有賀剛(サンゴリアス)、ネイサン・ウィリアムズ(ホンダ・ヒート)

フランス

author:京チャン・菜チャン

フランスのエンブレム
 世界で一番強い国と言えばニュージーランド、南アフリカ、オーストラリアということになるが、世界で一番楽しいラグビーをする国といえばフランスです。

 私の個人的な感想でいえば第1回ワールドカップでフランスがイングランドと対戦した時、劣勢の中でグラウンドいっぱいにボールをまわし、FW・BK15人が一体となってのトライをとったプレーが一番印象に残っている。
 たしかにスポーツは結果であり勝つことである。しかしラグビーは15人がいかにボールをつなぎゴールに運ぶか―この連続プレーが私にとって大きな価値を持つものである。
 まさに私のこのような夢をかなえてくれるのがフランスである。

 フランスはワールドカップでも常勝国ではないが、フランスの自由奔放なラグビーがなければ世界のラグビーは発展しないのではないかと思う。
 フランスはこれからも“シャンパンラグビー”にみがきをかけてニュージーランドや南アフリカの強豪国にひとあわ吹かせる存在で引き続きあってほしいと思う。

  • エンブレム…ルコック(雄鶏)
  • チームネーム…レ・ブルー
  • ヘッドコーチ…マルク・リエヴルモン
  • キャプテン…リオネル・ナレ
  • W杯最高成績…準優勝(‘87、‘99)

ロック(LO、4・5番)

ロックは大人のポジション(スクラム編)

author:エリス少年

 ロックは、スクラムを組むとき、プロップの後ろにひざをついてしゃがみ、肩に座らせます。股の間から腕を入れ、ジャージもしくは短パンをつかみます。このとき、決して足にしがみついてはいけません。始めて間もないころプロップに「そんなとこ持ったら押せへんやろ!」と怒られました。
 そして、レフリーの「クラウチ、ホゥルド(今はタッチ、ポーズ)、エンゲージ!」の「エンゲージ」のときにタイミングよくロケットの発射のようにプロップを前へ放り込みます。練習でプロップに呼吸を合わせて、プロップの間の取り方などクセをつかみます。信頼関係が大切です。
 後ろからの力をプロップに伝えるためには姿勢が大切です。相手のスクラムが強くて前からと後ろからの力で両足が浮いたこともあります。焦りましたがそれでも姿勢は大切ですので崩せません。
 スクラムは前の3人だけでなく8人で組みます。そのスクラムの中心に位置するのがロックなのです!

雨中の激闘、リベンジならず

パシフィックネーションズカップ2008 日本対フィジー(6月22日、東京・国立競技場)

author:スモール・フォス

 昨年W杯では31‐35。勝利までのあと一歩が届かなかった。フィジーは強豪ウェールズを下してベスト8入り。準々決勝では優勝した南アフリカに冷や汗をかかせる大活躍であった。
 昨年のリベンジを果たし、世界ラグビー会に「ジャパンここにあり」とアピールすることができるか。

 天候は雨。ボールを大きく動かすことの難しいゲームになることを予想するのはたやすいことだった。
 開始3分、SOアレジのキックで敵陣に入り、ペナルティをもらう。これをアレジが決めジャパンが先制する。しかし9分、ラワンガにPGを返され同点に。15分、ハイパントからペナルティをもらい、再びアレジのゴールで6-3。
 ここまで相手の反則に助けられてはいるものの、こぼれ球を拾われ、するっと抜かれて大幅ゲインというシーンが目立ち、いつトライを奪われてもおかしくない冷や冷やもの試合展開となる。

 20分には敵陣22メートルでのスクラムからサイン攻撃を仕掛けるも、強いタックルに阻まれこぼれ球を拾われ大幅にゲインされる。キャプテン箕内のジャッカルで何とか取り返し難を逃れる。
 ジャパンは積極的にハイパントを使用。いくつかのチャンスを掴むも、ハンドリングエラーで終わってしまう。32分にはフィジーゴール前でボールを獲得も、ミスによりトライまで至らず。

 34分、ラインアウトからの攻撃にFBショーン・ウェブがライン参加。大きくゲインしたところでペナルティをもらう。SOアレジのゴールで9-3とし、そのまま前半終了。

 後半4分、マイボールラインアウトからモールを作る。今大会評価の高かったモールも簡単に割られゲインされる。FBウェブのタックルからボールがこぼれ、CTB平が大きくゲイン。
 両チームとも濡れたボールが手につかず、ハンドリングエラーを連発。こぼれ球を拾いあい、めまぐるしく攻防が入れ替わっていく。しかし、カウンター攻撃をさせれば世界一のフィジー。ボールを獲得した瞬間のスピード、周囲の選手の反応が早く迫力が違う。

 10分、フィジーのキックをFBウェブがこぼし、それを拾われ、CTBナンゲレブキにトライまで持っていかれる。コンバージョンも決まり9‐10と逆転を許してしまう。
 しかし13分、LO大野の体を張ったセービングからペナルティをもらい、アレジが決め12‐10と再びリードを奪う。

 15分、自陣ゴール前からのタッチクックがミスキックになり、前の味方に当たりアクシデンタルオフサイドでスクラムを与えてしまう。このスクラムから左への展開、タックルが甘くオフロードパスをつながれトライを奪われ、12‐17と再逆転を許す。
 1つのミスから一気にトライへと持っていかれてしまう。フィジー戦では毎回繰り返す負けパターン。昨年のW杯の苦い経験も頭をよぎる嫌な展開へとなっていく。
 今大会絶好調のブライス・ロビンスを投入し、流れを変えたいジャパン。度々チャンスを作るもことごとくミスで終わる。

 まだまだ逆転できるという状況の中、ついに我慢できず、38分フィジーを相手に最もやってはならないこと、意図のない不用意なキックを蹴ってしまい、案の定カウンターを仕掛けられトライに。結局12‐24で試合終了。反省の多い試合となった。
 過去に幾度もフィジーと戦い、負けてきた。その中で、フィジーには絶対にやってはいけないことを身にしみて感じてきているはずである。しかし、今回もまた、同じ負け方を繰り返してしまった。フィジーは確かに強い相手でW杯ベスト8ではあるが、勝てない相手ではない。むしろ最も勝てるベスト8である。ジャパンがベスト8入りを目指すのであれば、毎回勝てるようにならなければならない。

カーワン・ジャパン トンガに快勝!

パシフィックネーションズカップ 日本─トンガ(6月15日、仙台・ユアテックスタジアム仙台)

author:スモール・フォス

 昨年の対戦ではジャパンがアウェーで20-17の勝利。しかし、W杯ではチャンピオン南アフリカを追い詰めるなど、本番で真の実力を発揮し世界の注目を集めたのはトンガの方だった。今大会、3勝を目標に掲げるジャパンにとっては絶対に負けられない08年最大のターゲットとなる相手である。

 試合開始早々、トンガのロングパスにWTB小野沢がインターセプトを試みるも失敗に終わる。
 2分、ファーストスクラムでペナルティを取られ、ピエーレ・ホラのPGで先制を許す。しかしすぐにFLハレ・マキリの見事な絡みでペナルティを取り返し、SOジェームス・アレジがきっちり決め同点に。しかし7分、すぐに返され再びリードを許す。
 ジャパンはブレイクダウンで優位に立ち、すばやいテンポでボールをさばき攻撃にリズムが出始めるも、NEC所属のニリ・ラトゥ主将を筆頭にしたトンガの激しいタックルに遭い、トライまで至らない。しかし、キック合戦でも優位に立ち、トンガの強い当たりも何とか受け止め、自陣深くまで攻め入らせず、ペナルティを誘う。25分、30分、37分と立て続けにSOアレジがPGを決め12-6とジャパンリードで前半を終える。

 後半に入り、3分アレジのPGで追加点。さらに6分、中盤の右スクラムからハイパント。こぼれ球をFLマキリのセービングでマイボールを確保すると、FL菊谷が絶妙なキック。これをFBショーン・ウェブがタッチラインぎりぎりのところで見事なターン→パス。そこへ走りこんだCTBライアン・ニコラスにつながり、最後は再び菊谷の手に渡りトライ。コンバージョンも決まり20-6とリードを広げる。
 しかし、トンガに与えたペナルティから自陣でのラインアウト。トンガの力強く直線的なアタックにズルズル後退してしまう。何とかゴール前でタッチに押し出すも、マイボールラインアウトをあっさり奪われ、トライを許してしまう。

 14分、両チームの地域の取り合い、キック合戦が続く。トンガ選手の足が止まり、チェイスが散漫になったところを見逃さず、SOアレジがカウンター。パスをつなぎ、トンガゴールへ迫る。キックでボールを相手に渡した後もきっちり前へ出て、5メートルでのマイボールスクラムを得る。スクラムからの攻撃、何とかつなぐも、ここでレフリーが負傷交代するという珍しい事態に。

 仕切り直し、スクラムを押し込む。左へ展開し、CTB平が見事な伸びで相手をずらしWTB小野沢のトライ。
 さらに20分トンガのハイパントのこぼれ球を拾ったFBウェブが独走しトライ。30-13とリードを広げる。
 その後、双方のオフェンス、ディフェンスが何度も入れ替わるボールの奪い合いとなるも、キックで地域を取り返せるジャパンが優位に。さらに、トンガ選手のサポートを上回るディフェンスの戻りを見せ、ピンチの芽を摘む。
 37分FBウェブに代わって入ったブライス・ロビンスのトライで35-13となりノーサイドとなった。

 試合前は08年最大のターゲットであった。しかし、トンガに予想されていたような元気はなかった。ジャパンはトンガに「されたくないことはさせない」というようなうまい試合運びで勝つことができた。昨年まで8年間勝てなかったトンガに連勝。しかもラインアウト以外の内容は良かった。十分進歩したと言える。

 しかし、W杯の本番で格上のチームに勝つためには、見る者の心を打つような低く、突き刺さるタックルを80分間続けなければならない。今日の試合、ジャパンはトンガの当たりを概ね受け止めた。これは選手のレベルが上がったということも確かではあるが、元気のないトンガに助けられた面もある。今後、NZマオリなど更なる強敵相手に、「受け止める」という姿勢で臨んでは先週の豪州A戦の二の舞となるだろう。ちなみに今日、低く突き刺さるタックルを見せたのはFLマキリ、CTBニコラスの2人だけだった。

新生ABs 不安残る勝利

08テストマッチ ニュージランド―イングランド(NZ・オークランド、6月14日)

author:テツヤ

 失意のW杯(準々決勝敗退)から8カ月。まさかのヘンリー・ヘッドコーチ留任、相次ぐ中心選手の海外移籍などでNZ国内でのラグビー人気にかげりが出てきているのでは…とも言われる中、先週のアイルランド戦に勝利したオールブラックス(AB)がW杯準優勝国・イングランドを迎え撃つテストマッチ第1戦が満員のオークランド・イーデンパークで行われた。

 イングランドは、大黒柱SOジョニー・ウィルキンソンをはじめけが人が相次ぎ、昨年のW杯決勝メンバーはPRアンドリュー・シェリダンのみという布陣。しかし、「キャップ数は少ないがあなどれない」(解説・藤島大)の指摘通り、緊張感ある好ゲームとなった。  
 キックオフ直後からイングランドFWがサイズ、パワーを生かして強烈に押し込み、接点で執拗にからむ。立ち上がりから見ている方も力の入る攻防が続く。10分、CTBオーリー・バークリーのPGでイングランドが先制すると、11分にSOダン・カーターのPGですぐに追いつく。
 イングランドFWの迫力なのか、もともとABの課題といわれるラインアウトのミスが続出。16分、キャッチミスを逃さずイングランドが左サイドに展開し、WTBデイヴィット・ストレットルがトライ! と思いきや、インゴール寸前にしぶとくタックルを決めたNO8ジェローム・カイノがノッコンを誘い、見事なトライセービング。

 19分、AB主将FLリッチー・マコウの接点でのぎりぎりのプレーが反則をとられ、バークリーのPGで3-6。しかしその直後、イングランドのキックオフミスからカーターが絶妙のグラバーキックを蹴りこんだところに、CTBコンラッド・スミスがするどく走りこみ、トライ。コンバージョンも決まり、13―6。

 続けて28分、イングランド陣内のスクラムから展開し、カーターがトライ(キック成功、20-6)。FWに押されながらも、展開力では一味違うところを見せつけるAB。この後、シェリダンがシンビンで退場。PGも決まり23-6と、イングランドが局地戦では互角以上のプレーを見せながらも点差が開く展開。さらに37分、カーターのするどいカットインから再びトライが生まれると思った瞬間、インターセプトした初キャップのWTBトプシー・オジョーが爆走。追走するFBミルス・ムリアイナに一歩も触れさせず、70メートル走りきりトライ(キック成功、23-13)を決め、このままでは終わらせないぞという雰囲気を漂わせて前半終了した。

 後半は開始直後からABが魅せる。42分、イングランドのラインアウトミスからCTBマア・ノヌーがラインブレイクし、ムリアイナにつないでトライ(キック成功)。46分には、ABボールのスクラムをイングランドがターンオーバーするも、さらにターンオーバーでカーター→ノヌー→WTBシティヴェニ・シヴィヴァトゥが飛び込み、4トライ目(37-13)。ボールが動く展開になると断然強い。
 この後、得点に結びつかないものの、接点、ラインアウトではイングランドFWの強さは目立った。72分、オジョーがまたもや快足を飛ばしてトライを決め、37-20で試合終了。

 試合後、藤島大さんは、ウィルキンソンを欠きながらもFWが健闘したイングランドを、「チームの将来性、伸びしろでは上」と評価。一方ABは、スミス、ノヌーのハリケーンズコンビ、大黒柱カーターの好調が好材料。しかし、あのラインアウトではトライネーションズで南ア、豪州に勝てるだろうか…不安は残る。

京チャン・菜チャン

ラグビー観戦歴20年。特に伏見工業初優勝、同志社大学3連覇、神戸製鋼7連覇の時代を観戦してきただけにラグビーの楽しさ、おもしろさを満喫してきた。この時代の素晴らしい思い出をこれから紹介していきたいと思います。

スモール・フォス

小、中ではバレーボールをプレーし、なかなかの実績をあげる。当然高校でもバレーをという思いを持つも、入学した高校にバレー部はなかった。どうしようかと迷っているときに強烈なラグビー部からの勧誘。とりあえず一度だけのつもりがそのままズルズル…。気がつけば「ラグビーより面白いスポーツはない」と口に出すように。弱小公立高校のうえ、小さな体ゆえにスタートはWTB。後にスクラムハーフになるための練習をしておくように顧問から言われるも、たまたまフォワードで出た試合の面白さから、フォワードの方が楽しいと主張。そのままLO→FLとなる。大学でもラグビー部に。ラグビー人生の大半を極小FL(身長161センチ)として過ごすことになる。得意プレーはモールの隙間に入り込むこと。
◎好きなチーム、選手…スプリングボクス(南ア)、アイルランド

テツヤ

2年前、ルールも知らない、試合も観たことがないど素人が、職場のバイト学生にすすめられて観た海外ラグビー(スーパー14、シックスネイションズ)に魅せられ、楕円球のとりこに。しっかりラグマガ読者となり、07年W杯に向けてJSPORTSを契約し、DVDレコーダーを購入。関連書籍、録画DVDは山のように積まれ、今や「趣味」のトップは、ラグビー!な32歳。
◎好きな選手、チーム…オールブラックス、ピエール・スピース(南ア)

エリス少年

ラグビー歴は高校時代の3年間。ポジションはロックでした。91年W杯で、イングランドの真っ白なジャージがどろどろになるプレーに感動し、ラグビーを始めました。カウンターアタック、フィジアンマジック、ロックの突進が好き。できるだけ内外の試合を観て、ラグビーの魅力を感じたいと思います。プレーから遠ざかっているので、できたらタッチフットもしたいです。
◎好きな選手、チーム…ネイサン・ウィリアムズ(ホンダヒート)、ヴィクター・マットフィールド(南ア)、ホンダヒート、アルゼンチン

チャンピオン対決 南アが圧倒

08テストマッチ・南アフリカ―ウェールズ(6月7日、南アフリカ・ブルームフォンテーン)

author:スモール・フォス

 07年W杯を制した南アフリカ。一方W杯予選リーグ敗退のショックから立ち直り、シックスネイションズ(欧州6カ国対抗戦)でグランドスラム(全勝優勝)を達成したウェールズ。世界チャンピオンに北半球のチャンピオンが挑戦するという注目の対戦となった。 序盤は共にキックを多用し、地域の取り合い。ラインアウト、スクラムで南アの強力フォワードが安定感を見せつけ優位にたつ。さらにブレイクダウン(ボール争奪戦)でも南アが圧力をかけ、ウェールズの持ち味である素早い攻撃を完全に封じ、ペナルティーを誘う。6分、10分とSOブッチ・ジェームスのPGでリード。一方ウェールズはSOスティーブン・ジョーンズがPG1本を返すも、18分、23分にまたPGを返され徐々に差が開く。

 前半30分、ウェールズボールのラインアウトを身長208センチ、体重120キロの南アLOアンドレアス・ベッカーが奪い展開。FLルーク・ワトソン、HOジョン・スミット、CTBエイドリアン・ジェイコブスらの見事な突破からFBコンラード・ヤンティースがトライ。一方的なムードが漂い始める。
 ウェールズも次第に攻撃が続くようにうなるも最後にミスが出る歯がゆい展開に。しかしペナルティーを得て、173センチながら世界屈指のWTBシェーン・ウィリアムズが速攻を仕掛け、右に左に大きく展開して一気にトライ。初めてウェールズらしさをみせた。
 しかし南アもすぐに取り返し、22-10で前半終了。

 後半、相変わらずウェールズの反応は鈍く、常に後手にまわる。そして46分、南アフリカは世界最高のLOヴィクター・マットフィールドを投入。直後にキャプテンのスミットが相手ボールのモールからボールをもぎ取り、トライにつなげる。
 さらに55分にもスミス、ワトソンらが見事なオフロードパスをつなぎ、100メートル10秒7の豪脚NO8ピエール・スピースのトライ。コンバージョンも決まり、36-10とし勝負を決定付ける。
 ウェールズも何とか北半球チャンピオンの意地を見せ、66分にスクラムからのワイド展開で、ウィリアムズがトライ。しかし終わってみれば43-17という得点差以上に内容に差をつけた世界チャンピオン南アフリカの余裕の勝利となった。  

 南アは万能フットボーラー、ジュアン・スミスを筆頭に強く、確実なタックルで前へ出続け、さらに反アパルトヘイト闘士だった父を持つルーク・ワトソンがブレイクダウンでウェールズボールにからみ続け、ウェールズ本来のラグビーをさせなかった。
 またスーパー14での試験的ルールの下でプレーしていた南アフリカのフォワードはフィットネスのレベルの違いを見せつけ、全ての局面でウェールズフォワードを圧倒した。
 一方ウェールズは何をするにも反応が鈍く、最後に必ずミスをしてしまうふがいない試合に。しかし唯一、「小さな者には大きなスペースがある」という名言を口にしたシェーン・ウィリアムズが世界屈指のランニングスキルを披露した。 
 次週の第2戦、ウェールズがウィリアムズを生かせる展開になれば、可能性は…なくもない。

July 11, 2008

南アフリカ

author:スモール・フォス

スプリングボクスのエンブレム 欧州移民の中でも最も大柄なオランダ系移民が多く、身長195センチ以上の選手がゴロゴロ出てくる。その巨体をぶつけ合うラグビーが南アラグビーの伝統である。
 ラグビー協会創立は1889年と歴史は古く、南半球ビッグ3の一角であり、IRBの宗主国でもある。
 しかし、悪名高き人種隔離政策、アパルトヘイトにより国際社会から締め出され、第1回、2回のラグビーワールドカップには不参加。ラグビー界では長らく、「眠れる巨人」と呼ばれる存在であった。国際舞台から姿を消している間にも、国内選手権「カリーカップ」では伝統の世界一激しいラグビーが行われ、南アラグビーの伝統は受け継がれていた。この間、列強の国々の間では、真の世界一は南アフリカであると囁かれ、国代表の名を捨ててでも南アフリカに遠征しようという動きがあったと言われている。

 アパルトヘイトが終結し1992年8月に全世界が待ちに待った国際舞台復帰。1995年には第3回ワールドカップを開催することになる。この真の世界一決定戦となった大会で見事に優勝し、名実共に世界一となった。この大会の表彰式で、初の黒人大統領ネルソン・マンデラ氏からフランソワ・ピナール主将へとエリスカップが手渡されたシーンは歴史的名場面である。

 2007年第6回ワールドカップにおいては4度目の出場にして2度目の優勝。その巨体から生み出される根源的な、しかも圧倒的パワーとスピードが生かされれば特に変わったことをしなくても勝ててしまうことを全世界に見せつけた結果となった。
 国内の人種差別問題が完全に解決されたとは言えず、今もたびたびスプリングボクスにも影響を与えてしまう。しかし、列強も羨む才能の宝庫。まとまりさえすれば、完全に世界最強のラグビー大国であることは間違いない。

  • チームネーム…スプリングボクス
  • エンブレム…スプリングボック(レイヨウの一種)とプロテアの花
  • ヘッドコーチ…ピーター・デヴィリアス
  • キャプテン…ジョン・スミット
  • W杯最高成績…優勝(‘95、‘07)

July 10, 2008

惨敗、しかし前進示した

パシフィックネーションズカップ(PNC)日本―豪州A (6月8日、福岡レベルファイブスタジアム)

author:テツヤ

 環太平洋の6チーム(日本、NZマオリ、豪州A、フィジー、トンガ、サモア)総当りで競うパシフィック・ネーションズカップが7日開幕した。

 W杯の翌年は「若返り」と称して大幅な代表メンバー入れ替えを行い、毎回強化の方向性を見失ってきたジャパン。同じ轍を踏まずメンバー入れ替えを最小限に止め、カーワン・ジャパンにとっては、昨年のW杯からチームの進化を証明する大事な大会となる。8日の初戦は昨年10―71となすすべなく敗れた豪州A。ワラビーズ経験のあるベテラン、スーパー14で活躍する若手などで編成された強豪を福岡で迎えうった。

 前半5分、相手陣内でテンポよくフェイズを重ね、SOジェームス・アレジがDGで先制し、幸先よくスタートを切る。しかし10分に負傷交代で今季スーパー14準優勝・ワラタスで活躍する、サム・ノートンナイトが入るとがらりと流れが変わる。13分、ジャパン陣内でのラインアウトのミスから、そのノートンナイトに突破され、最後は主将CTBモーガン・トゥリヌイがトライし、逆転。少し迷いのみられるジャパンディフェンスを突いて、19分、34分、41分と前半だけで4トライ(3-28)。

 このままでは、「昨年の繰り返しか…」と不安がよぎる中、後半に向けてJKは「ファーストタックルに集中」とディフェンスの修正を指示。徐々に守りでリズムができると、豪州AがシンビンFW2人を欠く中、交代で入ったLO谷口智昭(立命館大出身)がパワフルに魅せてくれた。後半21分、ラインアウトからモールで押し込み、トライ。続けて25分にも、同じく交代のLO菊谷崇→FLハレ・マキリとつないだボールをねじ込み、2本目のトライを決め、14点差まで迫った。

 最終的には30分にもトライを奪われ、結局21-42のダブルスコア。直前のクラシックオールブラックス(CAB)戦では決まった出足早いディフェンスがこの日は不発気味だったが、昨年の惨敗からすれば大きな前進だろう。トゥリヌイ主将は試合後、「CAB戦を見て臨んだ。想像以上に強いチーム」とコメントした。すばやいパスワークで先発3戦目のSH田中史朗、交代の谷口、菊谷の頑張りが印象に残った。次戦は昨年W杯で予選敗退ながらファイナリストの南アフリカ、イングランド両チームを苦しめ、大会を沸かしたトンガ(15日、仙台)。キャプテンのニリ・ラトゥ(NEC)などトップリーグでプレイする選手も多い。熱いたたかいを期待したい。

July 4, 2008

第1回日本ラグビー学会リポート

 日本ラグビー学会の第1回大会が3月30日、関西大学千里山キャンパスで開かれ、公開講座やシンポジウムなどにラグビーファンら約400人が参加しました。
 日本ラグビー学会は、昨年7月に「ラグビーを誰からも愛され、親しまれ、楽しめる、人気の高いスポーツにする」ために「実践と理論の融合」を目的に設立されました。研究者だけでなく、神戸製鋼GM兼総監督・平尾誠二氏や東海大仰星航行監督・土井崇司氏ら関西ラグビーの指導者など132人が発起人となっています。
 午前の部では研究発表が行われました。ラグビー選手がボールを持って走るとき、必ず両手でボールを持てと教わるが、本当にそれが正しいのか? という疑問に、実際に実験を行った結果をはじめ▽生まれ月(月齢)によって身体能力に大きな差の出る子どもに対して、指導者はどのような配慮を持って指導しなければならないのか▽スクラムの強さを数値で測るにはどうすればいいのか▽日本における聴覚障害者のラグビー「デフラグビー」の歩みと今後の課題―など、ラグビー独特の課題から他のすべてのスポーツに共通するものまで、どれも興味深いものでした。
 午後からは日本代表の大畑大介選手と京都出身のラグビージャーナリスト・村上晃一氏を招き、「ワールドカップを振り返る」と題した特別講演が行われました。大畑選手は、右アキレス腱断裂という大怪我を克服し、ワールドカップ出場直前に、今度は左足のアキレス腱を断裂した時の精神状態やワールドカップでの日本代表の結果、今後のラグビー人生について気さくに話し、ファンにはたまらない時間でした。
 また、「他競技から学ぶラグビー」と題したシンポジウムでは、日本と海外のサッカーの違いや、指導法を比較しました。日本人選手がボールの蹴るときの重心、パスの後に止まってしまう癖などを科学的に分析し、日本人選手がいかに無駄な力を使っているかが明らかになると、参加者からは大きな驚きがありました。
 また、その問題がラグビーともぴったり重なり、オールブラックスのコーチが全く同じアドバイスをしていたという話になるとさらなる驚きがありました。話題は日本人の歩き方や走り方にまで及び、とても内容の濃いシンポジウムになりました。
 今回のようなラグビー好きにはたまらない企画が、ぜひラグビー人気の高い京都で行われることを期待しています。