医療+暮らし

乳がんのお話(2)

医師と相談し納得のいく治療法を

治療 ご一緒に考えましょう!

乳がんの10年生存率
 「がん=死」。これは誰しもがまず考えてしまうことだと思います。しかし乳がんは手術、放射線治療、化学療法、ホルモン療法などによる治療がほかのがんに比べて効きやすく、比較的治りやすいがんです。例えば2センチ以下のがんでリンパ節転移がなければ10年生存率は90%程度です。触って見つけられるがんでこのように治療成績のよいがんは他にはありません。
 ところがやはり乳がんと診断されて頭が真っ白にならない方はまずおられません。しかし外科治療をはじめいろいろな選択肢があるため、どのように治療を進めていくかをご一緒に決めていく必要があります。治った後のことを想像して、ご自身の希望される治療を見つけていきましょう。

切る?切らない? 残す?残さない?

乳房の構造
 治療法の選択についても日進月歩ですから、充分に担当医と相談して納得のいく治療法を決定することが大切です。
 一般的には治療の第一歩は外科的切除が行われます。近年は縮小手術が増加し、半数以上の患者様で乳房 部分切除と腋窩(えきか)リンパ節郭清(わきの下のリンパ腺を切り取る)が行われます。(さらに場合によっては腋窩リンパ節を出来るだけとらない方法も行います。)この場合、切除病変の断端は術中に病理診断し、がんの取り残しがないことを確認します。
 また、乳房部分切除を行った場合は術後、残した乳腺に放射線照射を行うことが必要です。ある程度以上の大きさの乳がんや乳頭部にがんがおよぶと考えられる場合は乳房切除術(乳房を全部切り取る)と腋窩リンパ節郭清が行われます。

病理診断で術後療法を確認

 治療の第二は切り取ったしこりの病理診断を行い、その上で術後療法の適応を確認します。ガイドラインに従って抗がん剤による化学療法、ホルモン療法など適切な治療を選んで行います。化学療法は脱毛や全身倦怠感など、不愉快な副作用を認める場合もありますが、再発予防には強い味方になってくれます。
 ホルモン療法は比較的副作用が少なく継続が容易です。時代は進み初期のものや乳がん の特性によっては、手術前の抗がん剤の投与で腫瘍が完全に消えることもあり、先に化学療法を行う場合も出てきました。
京都民医連中央病院 外科 名嘉山一郎
乳がんの病期分類
2009年3月 6日 11:23 |コメント0

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