京の地酒

酒造りの道具

酒袋

 醪(もろみ)を袋の中に入れて酒を搾り出すのに使用しました。酒袋専用に織った木綿布を長方形に縫製し、柿渋を塗ったものです。塗布された柿渋に含まれるタンニンにはタンパク質沈殿作用があるため、単に酒粕と清酒を分離するだけでなく、清酒中に含まれる余分なタンパク質を除去する働きがあります。
 袋に醪を5~9リットル入れ、袋口を15センチ程度折り込み、酒槽の中へ並べて積み重ねると、自重によって酒が搾り出されます。昭和30年代頃まで使用されていました。現在では酒袋の多くは化学繊維の袋にとって変わられましたが、今でも柿渋は清澄剤として用いられています。
 毎年7月の土用の日に柿渋を塗り直し、破損箇所があれば補修も行っていました。

使用工程:酒しぼり工程