京の地酒

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工程

蒸米工程

 浸漬したお米を蒸します。水切りを終えた白米を甑(こしき)に入れ、下の大釜で沸騰した湯の蒸気により、約1時間ほどかけて蒸しあげられます。甑の底板中央部に釜の蒸気が吹き上がる“甑穴”(直径約5センチ)があり、その上に「さる」を置き、さらに「さるのべべ」という布を被せ、湧き上がってくる蒸気を甑内にまんべんなくいきわたらせました。蒸しあがった米は、「内柔外剛」といって、外側が硬く内側が柔らかいのがよいとされています。外側が溶けていると腐敗の危険があり、また、内側に芯が残っていると、うまく糖化・発酵しない可能性があるからです。
 杜氏(とうじ)が蒸し加減を確認し、蒸しあがれば蒸し取り作業にかかります。2つの「半役」を甑のふちに掛け、そこに「ぶんじ」の手水桶と、蒸米を運ぶための「飯試(めしだめ)」という桶を置きます。その横に「休座」といって人が乗るための大きめの半役を掛け、蒸米を飯試に入れる人が乗り、ぶんじで甑の中の蒸米をすくいとり飯試に入れていきます。
 蒸しあがった米のおよそ25%は約30度Cまで冷やして麹室へ、残りは酛や醪の仕込みへまわされます。