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「綿」─藍染の古布


藍染の古布を使ったショルダーバッグ
 私たちの祖母の時代は、藍染は虫が寄ってこないので、野良着に使用されることが多く、綿は洗いにも強く、農家にとってはかかせない布でした。破れてくると修理をし、あて布をして何度も着続けました。着られなくなると、座布団や布団カバーにし、ついでついで、使用されてきました。
 汗を拭いたり、涙をぬぐったかも知れない藍染の布。触れていると、いとおしく感じます。なんでも「使い捨て」の生活スタイルが見直されようとしている今、古布の藍染の歴史に、何かを感じます。つぎあてられた布達は、限られた資源を、いかに大切にしていくべきかというメッセージを送ってくれているのではないでしょうか。

※【藍】 植物。タデ科の一年草。秋に穂状の赤い小花をつける。栽培して葉から染料をとります。この染料で濃い青色─藍色が出ます。


古布部分のアップ。
パッチワークのように、破れを別の布をあてて修理してあります。