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千田郁子さん  「唐長」11代当主夫人


 着物を来て仕事を始めたのは60歳からです。「唐長 修学院」と、4年前の7月、三条両替町にオープンした「唐長 三条両替町」とで唐紙のある暮らしを提案しています。オープンの年のお正月に着物を着たら、夫や知人から「着物、よく似合うね」と言われたのがうれしくて、しばらく着ていようと思いました。春になって、もうすぐオープンという時、「夏を越せたら年中、着ていられるかも…」と思い、結局ずっと続いています。
 朝、着付けして扇子を持つと、気持ちがシャンとします。さあ、仕事!と切り替えが出来るんです。昨年末に10日ほどロンドンとパリに仕事で出かけた時も着物で通しました。着物が自分にすごく馴染んでいて、「これが日本の民族衣装」と怖いものなしっていう感じでしたよ。着物だと身体も冷えないし、調子がいいんです。唐紙と着物、大好きなアンティークに囲まれていると、自然と心が和みます。
 気をつけていることは、「唐紙」を邪魔しないで着物を、ということです。黒や茶系など抑えた色を選ぶようにしています。その上で帯締めや帯止めでちょっと個性を出して楽しんでいます。


唐長 日本で唯一残る京唐紙の版元。1624年創業。所蔵する版木は約650種に及ぶ。歴代が桂離宮や二条城、京都御所などの襖や壁紙を制作してきた。最近は灯りや額、テーブルなどのインテリアとして唐紙のある暮らしも提案している。現11代目当主は千田堅吉氏。
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