京都民報

京都歳時記「花のなぞかけ」

季節を彩る草花のなぞなぞです。咲いている場所、花の名前分かるかな?

青紫の気品(答)

花 桔梗
場所 光秀寺(亀岡の谷性寺)
胡瓜

胡瓜

胡瓜

胡瓜

 今では食生活には不可欠な野菜となった胡瓜ですが、江戸時代までは苦味が強く、「下品(げぼん)の瓜」として評価は高くありませんでした。
 江戸後期、洛東の聖護院では農業技術の改革・改良に熱心で、石やわらを利用した温床育苗法を開発したり、促成栽培が盛んでした。その中から「聖護院」という地名を冠した蕪や大根、そして胡瓜が生み出されたのです。
 昭和に入ると暖地性の早生胡瓜に押されて不振に陥り、戦争で栽培は中断を余儀なくされ、伝統野菜に指定されながらも原種は絶滅品種となりました。
 今の胡瓜は真っすぐでツルリとした〝醤油顔〟ですが、以前の胡瓜は細かなイボが生じ、曲がったりして白い粉を吹いていたものです。粉は鮮度の良さを表すものでしたが、農薬と間違われて敬遠されてしまいました。今の胡瓜は生食にはおいしいのですが、漬物には向きません。消費者の好みで胡瓜も変遷してゆきます。

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