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よみがえる遠き日〔2〕─井出美代

2007年5月16日 11:15

 花やしきの前を流れる宇治川の対岸に興聖寺という立派なお寺があります。そこで修行する若いお坊さん達が朝早く琴坂から川岸まで清掃におりてきて、リラックス気分も手伝ってか大声でオーイ花やしきの寝坊スケ早ウ起きんかいとどなるのです。と、こちらからは居合わせた者が何や興聖寺の生グサ坊主のクソ坊主、早うお経をあげんかいとどなり返す場面がよくありました。
 そのお坊さん達が言うように花やしきの人間は早起きは苦手です。その花やしきでびっくりするほど皆が早起きする一年に一度の日が元旦の朝なのです。
 五時頃のまだ霜柱のたつ薄暗くきびしい寒さ、新宅とよばれた私共の茶の間ではストーブがたかれ眠い目をこすりつゝ着換えさせてもらう横で和服姿のパパが今朝はここを読むんだよと部厚い聖書を手に詩篇を口にしておりました。どのような句であったか全く覚えていませんでしたがストーブに手をかざしつつ予読していたパパの声。使用人も全部が集まった大広間で詩篇を読むパパ、内容はともかくとして皆神妙にききそれから白みゆく外の景色を見つつお雑煮を祝ふのでした。この元旦のしきたりは英治兄又哲治もひきついでいたとか?

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