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和布ものがたり

糸くずで作り上げた布


「今日も生命をありがとう」

 11月に入り、友人達と、ブラリと散歩に出ました。お天気もよく、町並みを見ながら上京区寺ノ内の「妙蓮寺」にて、10月~4月にかけて咲き続けるという「御会式桜(おえしきさくら)」を見たり、「宝鏡寺」「妙顕寺」と回りました。コスモスに似ている「妙顕寺」境内の「秋冥菊(しゅうめいぎく)」は、意識して見ないと見過ごすくらい、ひっそりと咲いていました。
 「白峯神宮」「清明神社」と行ったところで、南側に糸車の回っている店がありました。中に入って品々を見ていたら、「糸くず」で作った布というものを発見しました。この店のオーナーが考え出したものだということです。ネクタイの布を織った耳にできる糸を切りとって薄い布に糸くずを縫いつけていくものです。
 私にとっては新発見で、うれしかったです。捨てられるものが生き返るということは、すばらしいことだと思います。この店「ペンステモン」のオーナーは、仕事をしながらゆっくり説明してくれました。「糸くずの布」は、写真ではお見せできませんが、ぜひ店へ見にいってください。
 友人とゆったりと過ごした後に素敵なプレゼントをもらったようでした。今日一日をともに時間を共有できた友人に感謝しました。


 私は、「布と木の融合」というテーマの作品で「糸くず」を利用しています。今回の作品(写真)は、お地蔵さんのバックの木の葉や木の実部分に、ボンドづけで使用しています。その他、「糸くず」「布くず」ミックスで表現しています。みなさんも身近な「くず」で何か表現してみませんか? 楽しいですよ。