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西村俊美さん  細見美術館茶室「古香庵」

 細見美術館の茶室「古香庵」でお茶の接待(呈茶)、茶会・お茶事を担当しています。ですから着物は仕事着です。茶室ができて10年。最初はお茶事や行事の時だけ公開していましたが、問い合わせが多く、7年前からはフル稼動させようと、毎日公開して呈茶も行い、観光客の方や修学旅行生などを対象に茶の湯体験も始めました。季節を感じていただけるよう、軸や花、茶器などの設え、着物にも気を配っています。
 着物を着てお茶をお出しすると「京都らしい」と喜ばれます。京都に来られて、お茶や伝統文化に触れてみたい、そんな方が多いのに驚かされます。中には「稽古を始めてみたい」と興味を持たれる女性や着付けを習いたいという方も少なくありません。そんな京都の文化の入り口で仕事ができることをうれしく思います。
 着物を着始めたのは20歳の頃です。師範の母についてお茶の稽古を始めました。お茶会や初釜などで必要に迫られて着た着物でした。季節感や彩りを着物、帯、小物など手持ちの中から選んで楽しんでいます。好きな着物は古典柄。今日の着物は、黒地紅型のろうけつ染め小紋(単衣=ひとえ)に鶸(ひわ)色の帯を締めてみました。
 お茶は奥が深く、次々と分からないことが出てきます。禅語を勉強したり、茶器を見に行ったりして、問題がクリアーできたときや新たな発見があったときなどは感動ものです。そんな茶の湯の魅力、着物の楽しみ方など、京都の伝統文化を少しでも伝えられたらと思います。