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ニーチェの馬

ニーチェの馬 トリノの広場で泣きながら馬の首をかき抱き、そのまま発狂したとされる、哲学者ニーチェ。ハンガリーの巨匠タル・ベーラは、自身の“最後の作品”で、「馬のその後」を描いて見せた。とある田舎の農場。石造りの家と古井戸があり、農夫と娘が重労働でぎりぎりの生計を立てている。そこに、彼らの唯一の収入源として、荷馬車とともにあの馬がいた…。
 徹底的に排除された台詞、極限まで削ぎ落とされた演出によってスクリーンには、生と死に向き合う静謐な世界が広がる。完璧な技巧と独自の美学で構築された唯一無二の哲学を貫き通し、“映画の極点”(The Observer)とまで言わしめたタル・ベーラの最終章を堪能ください。(京都シネマ)
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作品情報

  • 出演:ボーク・エリカ、デルジ・ヤーノシュ
  • 監督・脚本:タル・ベーラ
  • 脚本:クラスナホルカイ・ラースロー
  • 音楽:ヴィーグ・ミハーイ
  • 製作年:2011
  • 製作国:ハンガリー・フランス・スイス・ドイツ
  • 配給:ビターズ・エンド
  • 時間:154分
  • ジャンル:ドラマ
  • 原題:A Torinoi Lo
  • 英題:The Turin Horse
  • 公開日:12/06/02
  • 京都シネマの上映情報
コンテンツ企画協力:京都シネマ