京都民報

京都歳時記「花のなぞかけ」

季節を彩る草花のなぞなぞです。咲いている場所、花の名前分かるかな?

女の守り神(答)

花 石榴
場所 妙顕寺
石榴

石榴

 梅雨のうっとうしさを切り払うように紅朱色の石榴の花が咲くと、鬼子母神の伝説が思い浮かびます。
 1000人の子どもを持っていたという女神・鬼子母神は、人の子を掠奪して好んで食べた。そこで釈迦は鬼子母神の子を一人、法衣の裏に隠すと、鬼子母神は気も狂わんばかりに捜し回った。「千人もいてその一人の姿が見えないからといって何を騒ぐ」という釈迦に「子の可愛さは何ものにも代えがたいもの」と鬼子母神は嘆き叫んだ。釈迦は「ならばお前の食べた子の親の心情を思いやったことがあるか」と悟すと、鬼子母神は悔い改めて、世の子すべてを守ること、産婦の安全、子のない女性に子宝を授けることを誓いました。石榴の酸っぱい実は人肉に似ているといわれ、鬼子母神はその実を戒(いまし)めとしました。
 日蓮宗では鬼子母神を女性の守り神として祀っています。寺之内通にある妙顕寺の鬼子母神堂の前には、この花が鮮やかに咲いています。

このページのTOPへ