竹本

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 大坂の竹本義太夫(1651~1714)という浄瑠璃の太夫の名前からきている。以前は「チョボ」と言っていたが、現在では常磐津や清元と同じように、流祖の姓を種別の名称としている。
 竹本の役割は状況説明である。義太夫狂言で、それぞれの役者の注文に応じて地合いと台詞を語り分ける。丸本物といって文楽からきている大曲は、比重が掛かる。
 この他、舞踊劇の伴奏音楽としても活躍する。舞台上手の御簾内で語る場合や、出語りでは床を出し、文楽のように「文楽廻し」でぐるりと廻って入れ替わる。

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08/06/09│歌舞伎まめ知識