労働相談
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労働に関する悩み相談

解雇予告手当

(協力:京都労働相談センター)
「クビ」とどなった社長に怒り、
即日労組に入って3日後に謝罪させたパートの女性
社長に労基法順守教える
「このままで会社をやめるのは悔しい」。 「勤務日数を元に戻してほしい」と社長に訴えただけなのに、いきなり「クビだ!」と言い渡されたパートのUさん(43)、 怒りにふるえて相談員に訴えました。「社長にどうしても謝って欲しい」。労働組合に入って団体交渉することにしました。
 Uさんは高級化粧箱の企画・製作会社(京都市山科区)で週6日、時給は750円で働いてきました。 これまでは、毎日のように残業がありましたが、今年2月に中国工場が稼動したのを機に週3日勤務に減りました。
 「勤務日数を元に戻して」と社長に申しでると、机をたたいて「もうこなくていい。すぐ帰れ」とクビを宣告されました。
 労働相談センターに駆け込んだのは、その直後。「パート労働者でも労働基準法が適用され自由に解雇はできません。 30日前に解雇予告するか、解雇予告手当として30日分以上の賃金を支払わなくてはなりません」の説明に納得しました。
雇用保険にも未加入わかる
 さらに同社は有給休暇はなく、雇用保険、社会保険にも未加入とわかり、相談員から労働組合(全印総連)に入り、団体交渉をすすめられました。 会社に連絡すると3日後に交渉に応じるとの返事でした。
 解雇されたその日に、相談、即日組合に入り、3日後には団体交渉。怒りがどんどんUさんを前に走らせました。
 要求は解雇予告手当の支給と有給休暇の付与、社会保険、雇用保険の加入の4項目。社長は労基法のことはまったく知らず、条文を示してパートでも正社員と同じように労基法が適用され、守らなければ法律違反になると教えるとびっくり。「突然の解雇は不当」とUさんが厳しく追及するとおろおろして何も反論できず、「帰って、 税理士らと相談して回答します」とすごすごと退散しました。
 後日文書回答があり、要求した項目が全て実現しました。Uさんに解雇予告手当などが解決金として支払われることになりました。
 Uさんは、他のパート仲間から「Uさんのおかげで有給休暇がとれるようになり、雇用保険や社会保険にも加入できるようになった」と喜ばれました。

(「週刊しんぶん京都民報」2005年3月27日付)
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