労働相談
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労働に関する悩み相談

事業主の安全配慮義務

(協力:伏見地区労働組合協議会)
上司のいじめで病気になったのに自己都合でクビにされた女性
労災補償の請求もできる
「職場の上司のいじめによる病気なのに、なぜ自己都合の退職なのか」――。和菓子の製造販売の会社に勤める女性社員のIさん(39)は、体調不良のための休職願いを受け入れられず、退職届けを強要され、やめさせられました。「おかしい」というIさん。こんなのってあり?
「臭い」と罵声を浴びせられ
 Iさんの務める和菓子屋は従業員40人が働く老舗。正社員として接客や商品の発送のための包装の仕事を担当して1年10カ月働いてきました。
  しかし、職場では上司から「臭い、風呂に入ってんのか」とか「どんくさい」と罵声を毎日のように言われて、しだいに出勤しようと思うと頭が痛くなって足がすくんでしまうようになりました。
  病院に出かけたIさんは、「抑うつ障害」と診断されました。治療のためにしばらく休職をすすめられ、会社に申し出ました。

働く環境を整える責務あり
 ところが会社側は「前例がない」、「復職する自信がほんとうにあるのか」などと難クセをつけ申し出を受けつけようとしません。「もう出社できる状態でない」と悩んだ末にIさんは泣く泣く退職届けを提出しました。しかし、納得がいかず、街頭で見た労働相談センターのポスターを頼りに相談に行きました。
  「職場でのいじめによる病気」というものは、会社側に責任はあるのか―。Iさんが知りたかったのは、このことでした。相談員はずばり「あります」。会社には労働者が健康で安全に働く環境整備に努める責任のあることが労働安全衛生法などで明記されていることをていねいに説明しました。
  そして、「Iさんの場合は、業務上で心身を壊したのだから労災補償も求めることができますよ」とのべました。さらに「労働組合に入って団体交渉しませんか」とアドバイスしました。
  Iさんは、全国一般労働組合に加入し団体交渉の中で会社の責任を認めさせ、休職することを勝ち取りました。その後の交渉の中で会社が一定の解決金を支払うことで和解しました。
(「週刊しんぶん京都民報」2004年12月19日付)
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