しんいちのライブな日々

真夜中の出逢い

 「ちょっと平山君。会員制サイト『みんぽう倶楽部』で、ライブめぐりの企画やってくれや」、「まじっスか」、「君好きやろ。仕事でいけるで」、「やっ、やっちゃいます」・・・
 編集次長の口車に乗せられて、安請け合いをしたものの「仕事で」となると腰が重い。自分にムチを打つ意味を込めて寒空の夜の街に飛び出した。
 日付けが変わろうとする四条木屋町をあがった小橋。乾いたギターの音色とやさしい歌声が聞こえてきた。声の主は「やま。」こと山本祐一さん(29)=京都市西京区桂=(掲示板メール)。手にあるのはギブソン1962年製「LGー1」。明日卒業式という学生のリクエストで山崎まさよしの「One more time. One more chance」を歌ったあと、はなむけにオリジナル曲「おつかれさんのうた」を演奏。アップ・テンポなブルースで、陽気な音色の楽器カズーもときおりはいるもの。しゃべくり漫才もどきの軽快なトークと演奏が観客の心をとらえる。
 「場慣れしているなあ」と思って尋ねると、2000年から毎土曜日午後6時から翌0時半まで演奏し続けているという。02年からは、年越し路上ライブをやっているとのこと。今年は2人の青年が大晦日午後9時から元日午前5時まで聞き続けてくれた。
 ギターは高校時代、友人にすすめられて始めた。02年からは、ライブハウスなど活動の場を広げ、昨年はファーストアルバム「人生計画」を作成。派遣社員とミュージシャンの2足のわらじ。「いろんな人との出会いが楽しみ」。メジャーデビューへの夢を語る言葉が熱い!

執筆者:平山