【参院選2025】学術会議法案への一貫した追及に感謝/同志社大学教授・川嶋四郎さん #共産党に期待

通常国会で可決成立した学術会議法案を巡り、学問の自由を確保するために廃案を掲げ、一貫して国会で追及してくれた共産党もぜひ議席を伸ばしてほしいし、倉林明子さんの再選も期待します。
参院内閣委員会での参考人質疑に出席した際、共産党の井上哲士さんの質問は、正鵠を射た素晴らしいものでした。学術会議が内閣府の中にあることの意義を聞いてくれたのは質問者の最後から2番目、井上さんだけでした。本当にありがたいことでした。
質疑で、政府に問題があれば指摘できる学術会議という組織を政府が内部に有していることは、国家の品格・度量であると述べ、学術会議がこの国を自由で民主的、文化的な国家、平和国家に仕上げるための大事な役割を果たしていると答えました。
共産党質問で問題点の本質を議事録に残すことができた
また、「我が国の平和的復興、人類社会の福祉に貢献する」など学術会議の使命を宣言した現行法の前文が、法案では削除されている点についても聞かれ、「政府依存型のナショナルアカデミーにつくりかえることが象徴的に表われている」と指摘しました。
今回の法案の問題点、本質はここにあったと言えます。また、学術会議が過去の戦争の反省のもとに出発し、憲法とともに歩んできたことを説明し、議事録に残すことができました。今後、法案の問題点が浮き彫りになった際、軌道修正する足がかりにこの質疑がなればと願っています。
学術会議が変質する問題は、研究者だけの問題ではありません。学問の自由、内心の自由が保障されているということは、国民一人ひとりが安心して学び、自分の考えを主張できることでもあります。このことを理解し、平和国家、民主的国家を守るために頑張ってくれた共産党にも、国会で一層活躍をしてほしいと切望します。〔日本学術会議法学委員会委員長〕