元淀川水系流域委員会委員長の宮本博司氏を迎えた講演会「洪水から命を守る」が11月18日、八幡市の八幡市の文化センターで開かれました。30人が参加し、同市域の治水・防災対策について学びました。日本共産党の森下由美府議が主催したもの。

 宮本氏は、国土交通省での経験をもとに報告し、国の治水対策について「事業計画が先にありきになっており、住民に説明はしても、住民の声は聞かないで見切り発射で進めている」と批判。1997年には河川法改正により「住民の意見を反映する」と前進したが、現状は全く反した内容になっていると指摘しました。国の計画は「想定内」のものしか出てこず、被害が起これば「想定外」と言っているが、自然現象は本来「異常」であると指摘しました。

 近年でも豪雨災害が各地で頻発し、堤防が決壊したために、家屋が流出したり人命まで奪われる事態が発生しており、人命を守るための堤防強化が必要だと強調しました。

 宇治川、桂川、淀川のいずれも堤防は土が盛ってあるだけ、木津川は川底の砂を盛り上げているとし、堤防の法尻(のりじり)補強はされているが、本来は上まで強化するべきだと現場を見た指摘もありました。ダムに頼る被害防止は、「想定外」の豪雨災害対策には役に立たないと述べました。

 河川の流域では過去においても、浸水被害などが発生してきましたが、そのために遊水地の確保、農地を保全など水災害対策とまちづくりの連携等も強調しました。

 参加者からは、「現在居住している地域で河川が氾濫した場合、逃げる判断が難しいがどうすればよいか」などの質問や、町内会などでの「早めの避難」と「避難先」を決める方法もあるとの意見交換が行われました。

 講演会には、日本共産党の八幡市議が参加しました。