丹下紘希さん

 京都市長選挙で、「つなぐ京都2020」の福山和人候補に多くの著名人や文化人が、支援を表明しています。その一人で、数多くの有名ミュージシャンのミュージックビデオを手掛け、国内外で活躍する映像作家の丹下紘希さん(51)=京都市=に、支援の理由や現市政の問題点などについて聞きました。

命最優先の姿勢に共感

 応援は2018年の知事選からです。知事選では、福山さんの街頭演説をプロデュースしました。市民の願いをつないで政治を進めていく、この福山さんの政治信条を可視化し、聴衆の鮮烈な記憶として残したい。そんな思いで演出したのは、三条大橋(京都市中京区)に集まった聴衆と福山さんが、色とりどりのフラッグで飾られた無数のロープでつながるというものでした。こんな形で応援させてもらいました。

 応援の理由は、原発再稼働反対を鮮明にしているからです。そこには、命最優先を貫く思想があります。一方、安倍政権やそれに従う門川市政は原発再稼働を容認し、経済効率最優先、生産性一辺倒です。福山さんはそこを変えよう、庶民の手に政治を取り戻そうと熱を込めて訴えている、その姿勢を評価します。

 僕はこれまで、音楽映像業界で仕事をし、広告業界にもかかわってきました。3・11福島原発事故で初めて、広告業界が何十年と原発の安全神話を振りまいてきたことを知り、その罪深さに悶絶する思いでした。そして、仮に事故が起こっても東京に影響がないよう300㌔も離れた福島に原発が多数立地してきたこと、つまり福島と東京の命に格差があったことにがく然としました。以来、家族と一緒に東京を離れ、5年前から京都市内で暮らしています。

 商業より大切なことを伝えたい。同じ考えを持つ、映像製作に関わる仲間と創作グループを立ち上げ、自主制作の作品で原発事故の酷さや安倍政権を告発してきました。手掛けた作品は、原発という処理できない危険なものを残したことを未来の人へ謝る「未来への手紙」、政治とメディアを批判した「騙されない機能付きテレビ 真実1号」などです。安倍政権が原発をトルコへ輸出しようとしたとき、福島を現地取材し、トルコ国民に宛てた「あなたを心配する手紙」をつくりました。

 3・11から約9年。原発の再稼働は進み、被災地福島の住民の苦しみは何ら変わっていないことに絶望感さえ覚えます。でも、黙ってはいられない。

 市長選を前に感じるのは、門川市政が、京都市民が長年かけて守ってきたまち、文化を切り売りしていることへの怒りです。次々と住民を追い出し地元の商店や事業所をつぶし、後にできるのは東京・大阪や外資系資本のホテルです。今の市政が守ろうとしているのは、まちに暮らす住民や生活ではなく、インスタ映えする風景だけです。こんな状況を見過ごす訳にはいかないでしょう。一緒に力を合わせましょう。

 たんげ・こうき 人間ときどき映像作家。2児の父親兼主婦で、地元の小学校のPTA会長。3・11以降、映像制作に関わる人たちで立ち上げた「NOddIN」(ノディン/NIppONの視点を変えるとの意味)の中心メンバー。