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日本酒の日、「ひやおろし」に秋を思う

08年10月01日(水)

 みなさんはじめまして。本日からみんぽう倶楽部でぶろぐを書かせていただくことになりました、酒リーマンと申します。ただの美味しいもの好きなお酒好きですが、よければ戯言にお付き合い下さい。

 さて、本日をぶろぐの開始日に選んだのはそれなりの理由がありまして、10月1日というのは日本酒の日にあたります。日本酒の日の詳しい由来は専門のホームページで調べて頂く方が正確なので説明は控えておきますが、この日あたりは美味しいお酒が出荷される日にもなっています。

 みなさんは『ひやおろし』と書かれたお酒を一度は飲まれたことがあるのではないでしょうか? 冬から春にかけて造られたお酒が春先に火入れされ、夏の暑い時期を乗り越えて熟成感が増したお酒の事を『ひやおろし』と言います。この『ひやおろし』が日本酒の日付近になると多くの蔵元から出荷されてきます。これがまた美味いんです。新酒の間はピチピチとして酸を含んだ美味しいお酒だったのが、秋まで寝かせると落ち着いてまろやかで奥深い味に変化します。
 秋の夜長にそのお酒を燗していただく、横にはワタまで味が乗ってきた秋刀魚の塩焼きが置いてある。想像するだけで幸せになってきます。

 みなさんは食生活の中で四季を感じることがどれくらいあるでしょうか。『秋茄子は嫁に食わすな』と言った昔の話がありますが、今では茄子は一年中スーパーで手に入ります。スーパーの野菜コーナーならまだしも、コンビニの弁当で四季を感じるのは不可能に等しい状況です。普段から四季を感じられるような食生活を送っている人は本当に少なくなっていると思います。

 今回、『ひやおろし』を例に挙げたのはお酒を通じて四季を感じるきっかけになればいいと思ったからです。
 仕事が忙しく、長時間過密労働になっている人も多いとは思いますが、今日は早めに帰り、酒屋と魚屋に寄って、久しぶりにゆっくり『ひやおろし』と秋刀魚の塩焼きで秋を味わってみてはいかがでしょう。秋刀魚の塩焼きとあわせるなら、吟香があまりでない協会6号・7号系の酵母を使ったお酒がおすすめです。
 個人的な組み合わせでお勧めするならば、滋賀の七本槍(冨田酒造)さんの80%精米の純米原酒などはいかがでしょう。ひやおろしの事を書いてきてひやおろしで無いお酒をお勧めするのは少々気が引けるのですが、七本槍と秋刀魚はいい組み合わせだと思います。地元の玉栄を麹米や掛米に使っており協会7号系の酵母で仕込まれているため、吟香もあまりなく米の旨みがたっぷりする美味しいお酒です。七本槍のひやおろしも10/1に出荷されるのですが、まだ味を見ていないためコメントできません。新酒の感覚から判断すると七号系酵母のお酒がお勧めです。

 本日、日本酒の日をぜひお楽しみ下さい。私もどこかで日本酒を楽しんでいるはずです。