京の地酒

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酒造りについて

日本酒とはどんな酒か

日本酒は世界に誇れる醸造酒
 世界中のアルコール飲料はすべて酵母によって糖を発酵させて醸造しています。日本酒の原料であるお米の主成分はデンプンです。ぶどうなど果糖を原料にするワインと違って、お米からお酒をつくるには、まずデンプンを糖に分解しなければなりません。そこで、麹菌を使ってデンプンをブドウ糖に分解し(糖化)、そのブドウ糖を酵母にアルコールに変化させる(発酵)という、きわめて複雑で巧妙な仕組みによって造られます。
 「麹」「酵母」のふたつの生き物を同時に働かせてお酒を造る方法は「並行複発酵法」と呼ばれ、糖化とアルコール発酵を同一容器内で同時に進める醸造法で、東アジア特有の醸造技術です。一方、ビールなど、穀類を原料とする洋酒は、まず麦のデンプンを糖化しブドウ糖溶液をつくり、アルコール発酵が行われる「単行複発酵」です。並行複発酵では、糖化の結果できたブドウ糖がアルコール発酵によってただちに消費されるため、極めて高いアルコール度数が得られるのが特徴です。
 酒造りは「一麹、二酛(もと)、三造り」というように、麹と酵母という微生物の働きが重要です。自然の力だけで、高ければアルコール度数19度にもなる酒をつくりだすのは、世界でも他にはあまり例をみません。微生物利用に適した温暖で湿潤な気候風土に加え、醤油や味噌など、発酵技術に長けた日本人の巧みな知恵と技の結晶であり、守り伝えていきたい文化です。