着物美人
藤野正子 commonこもん 店主
着物業界で約20年、製造・卸商から小売まで経験し、全国の産地も飛び回ってきました。着物の流通は、作り手から消費者に渡るまでにさまざまな工程を経ていくシステムで、値段もかなり高額になっているのが現実です。長年、業界にいる中で、売り上げの数字だけではなく、純粋でシンプルな人と人のつながりを作りたい、つまり「カジュアルを日常に取り入れながら楽しくきものを着てほしい」そんなお手伝いができる仕事をしたいと思うようになりました。小さなお店でいいからきものを着たい人、きものが好きな人たちが交流できるスペースを作りたい、そんな気持ちで今年1月にオープンしました。
お店の名前は、偶然読んだ雑誌からヒントを得ました。Commonは「日常的」、「共通の」などの意味があるので、きものの小紋をかけてみました。オープン以来、お母様のきものを譲られた方のご相談やきものと帯の合わせ方をはじめ、早くて簡単な着付けの仕方も伝授しています。「今更聞けない着物の常識」をそっと教えてさしあげたり、お客様の気持ちになって接するようにしています。夜8時まで開けているせいか、仕事帰りにふらっと寄って下さる女性もおられ、ひと時の憩いの場ともなっています。顔を見せにきて下さる方も増え、こちらが励まされることもあります。きものを売ることだけでなく、まずは、きものを着たい方のお手伝いができればと考えています。
Common こもん http://kimono-nijo.com/

菊名由紀恵 和都凛衣(ワトリエ)縁屋 店長
一昨年9月から着物や帯、和装小物を販売する店の店長を勤めています。毎日、和服を着ての接客が楽しくて仕方ありません。着物と帯の取り合わせや帯揚げ、半襟の色使いなど組み合わせは千変万化。まず自分で試してみて、思わぬ取り合わせでお客様にも喜んでいただけたらと思っています。
着物にはまったのはOL時代に母親に勧められて始めた着付け教室がきっかけでした。毎週1回、4年間通い、肌着の付け方から花嫁衣裳の着付けまで一通り学びました。折角覚えた技術を忘れたくないと、OLをやめ、百貨店の浴衣売場や呉服店でアルバイトもしながら、チャンスを待っていました。当時は接客が苦手で「いらっしゃいませ」が中々いえなかったんですよ。しばらくしてチャンス到来。御縁あって今の会社社長に出会い、この仕事をまかされることにになりました。
呉服産業は斜陽と言われますが、決してそうではないと思っています。私は大阪生まれの難波っ子で、京都にきたのは2年前。京都は、若い人から年配の方まで着物を着ている人が多いのにびっくりしました。店にも着物が着たいといらっしゃる方やカップルで浴衣を求めに訪れる方、お子様の入学式に訪問着をなど、皆さん着物を着たい方が本当に多く、さすが京都だなあと思います。
京都と着物、どちらも奥が深いです。油断せず、勉強もしながら、気軽に楽しめる着物をプロデュースしていきたいと思います。
お店のサイト:和都凛衣縁屋
http://www.watelierenya.com/index.html

もりた もとこ
着物のメッカ、京都・室町で着物の店「omo」を開店して3年目になります。最近やっと、近所の呉服商の方々にも認知され、反物や帯をうちのウィンドーで飾らせていただく関係もできてきました。
とにかく着物が大好きです。生まれたところが室町御池上ルで、着物は小さい時からの憧れでした。自分で着るようになったのは、01年ごろからです。オリジナルな着物を作りたいと、当時「kimonoインターネット」というサイトで変わった素材や斬新な色あわせの着物コーディネートを提案していたので、当然自分でも着てアピールしていました。
昔から着物地を集めるのが趣味で、天神さんや弘法さんの市で古い着物を買いあさっていました。古い着物地を仕立て直したり、外国のカーテンやソファの生地、テーブルクロスでも「これは使える」とピーンときたら、帯や小物に仕立てます。洋服のように楽に着て欲しいので、店では安価な木綿やお太鼓と分けた2分式の帯や反巾帯も置いています。
日本の着物は本当によく考えてあり、仕立て直したり染め直せば、2、3世代は着られる合理的な衣類です。羽織を帯に仕立てたり、地味な振袖に金を足して豪華にしたり…。そんな器用な仕事ができる職人さんを大切にしたい、そんなことも考えるようになりました。
私自身、これまで着物を楽に着たいと思ってきましたが、最近は綺麗に見えるように着たいと思うようになりました。もっとこれから楽しんで生きたいと思います。どうか、着物を「タンスの肥やし」にだけはしないでくださいませ。

千田郁子 「唐長」11代当主夫人
着物を来て仕事を始めたのは60歳からです。「唐長 修学院」と、4年前の7月、三条両替町にオープンした「唐長 三条両替町」とで唐紙のある暮らしを提案しています。オープンの年のお正月に着物を着たら、夫や知人から「着物、よく似合うね」と言われたのがうれしくて、しばらく着ていようと思いました。春になって、もうすぐオープンという時、「夏を越せたら年中、着ていられるかも…」と思い、結局ずっと続いています。
朝、着付けして扇子を持つと、気持ちがシャンとします。さあ、仕事!と切り替えが出来るんです。昨年末に10日ほどロンドンとパリに仕事で出かけた時も着物で通しました。着物が自分にすごく馴染んでいて、「これが日本の民族衣装」と怖いものなしっていう感じでしたよ。着物だと身体も冷えないし、調子がいいんです。唐紙と着物、大好きなアンティークに囲まれていると、自然と心が和みます。
気をつけていることは、「唐紙」を邪魔しないで着物を、ということです。黒や茶系など抑えた色を選ぶようにしています。その上で帯締めや帯止めでちょっと個性を出して楽しんでいます。


