「ホタエル」とは、ふざけたり、戯れることである。安永4年(1775)の『物類称呼』には、「ざれたはふるる事を、上方にてほたえると云、関東にておどけると云、又でうけるといふ、又そばへるといふ」とあり、また江戸中期の浄瑠璃には「若いなりしてぴらしゃらと、あんまりほたへさっしゃるな」とでている。 この語も、意味は少し変わっても西日本に広く分布している。京都などでは、「エーかげんにシーヤ、ホタエルのは」などと使用する。 雑俳資料には、「蚊(か)のくちばしもあなづられぬやほたえ牛」元禄8年(1695)、「飯焚と ほたへ肴(さかな)屋売上手」明和3年(1766)。「女の担ふ 水がほたえる」寛政3(1791)、「ほたえなほたえな 拭(ふい)た体へ湯がかかる」明治41年(1908)などとでてくる。 「ホタエル」元気はいいが、社会のルールとして躾(しつけ)も大切なことではないか。