京都民報
なるほど京都

京の菓子暦

茶の湯と京文化に磨かれ、育まれた京の和菓子。四季折々の京の和菓子を紹介します。

甘楽花子 坤庵

 クズはマメ科のつる性の多年草で、山野、河原で自生、繁茂します。根から澱粉を採取し、食用や葛根湯などの漢方薬として広く使われている秋の七草のひとつです。
 奈良県吉野でつくられる葛は高品質で、価格も群を抜いています。ほかには熊本県の球磨川葛、滋賀県高島市の熊川葛も良質の葛として知られています。良質の地下茎澱粉なので、消化・吸収がよく、独特の香気と透明さ、歯切れの良い粘りを持ったゲル状に変化するのが特徴で、水で溶き、湯煎するだけでも固まります。
 お茶のお菓子としては6月末の「水ぼたん」から秋小口の「葛焼き」まで、約3カ月間だけ使われます。氷室、藻の花、水葵、夏木立、玉取など爽やかな菓銘と見た目の清涼感、口にした時の感触、盛る器もギヤマンや透かしなどが使われ、いっそう涼味を演出します。冷蔵庫で冷やすと白っぽく、固くなるので、食べる30分ほど前に氷の上に載せて冷やすのがよいでしょう。

  • 葛の生地は葛粉、上白糖、水を練り合わせてつくります。
  • まず葛粉に水を入れ…

  • 葛粉だけを水溶きします。
  • 上白糖と合わせ強火にかけます。

  • 火が入り半透明になるまで練ります。
  • 杓子とヘラで1個ずつ生地を取り分けます。

  • 取り分けた生地を濡れ布巾の上へ上げます。このとき、冷めないように湯煎しながら作業します。
  • 餡玉の上から生地を被せるように包み…

  • 裏返して生地を閉じて出来上がり。
  • 10

    茶巾絞りにする時はボールに水を張り、その中で絞ります。

  • 11

    強火で3分程蒸し上げます。目安は生地の中に細かい泡が沸き立つように出たら蒸しあがりです。
  • 12

    出来上がり。

完成

銘「鵲(かささぎ)の橋」。七夕に因んだお菓子です。