医療+暮らし

上手に付き合おう更年期(3)

増え続ける子宮脱(性器脱)と尿失禁

子宮脱とは

 高齢化社会に突入し、50代から70代にかけての女性に増えているのが、子宮脱(性器脱)と尿失禁です。前者については、聞いたことがない方も多いと思われますが、実は50%以上の方に起こるといわれている非常にポピュラーな病気です。
 子宮脱とはその名の通り、子宮が腟の入り口から脱出してくるもので、最初のうちはほとんど無症状です。子宮を支えている靭帯が出産や加齢で弱くなり、便秘や肥満・立ち仕事・介護などでいきむことが多い生活習慣により、腟の入り口から子宮が出てくるようになります。

性器脱とは

 子宮の前(恥骨寄り)には膀胱が、後ろ(肛門寄り)には直腸がありますので、子宮と共に膀胱や直腸も下がってくることが多く、それら全てをまとめて性器脱と言われることが多くなってきました。
 症状は下がってくる臓器によって様々です。子宮だけであれば異物感・違和感、下着などに擦れてびらんや出血を起こしやすくなります。膀胱が下がってくれば、頻尿・残尿感・尿失禁・尿閉を、直腸であれば頑固な便秘を引き起こします。
 また、夫婦生活の障害にもなり、性器脱は命に関わることは少ないですが、QOL(生活の質)を著しく低下させる病気として、注目されつつあります。

軽度であれば体操で

 治療としては、軽度であれば、便秘の予防・減量・子宮を支えている靭帯を強くする体操(骨盤低筋群体操)をすることで一時的に良くなることがあります。人によっては、下がってくる子宮や膀胱を手で押し込めば排尿も普通にすることができますので、日常生活に支障がなければ、外来で経過を見ているだけの方もあります。
 しかし、性器脱は加齢が一番の原因ですので、年数が経つに連れ、下がり具合は悪くなります。
京都民医連中央病院 産婦人科科長 中村光佐子
女性の50%以上の方に起こるといわれている子宮脱
更年期

子宮と共に臓器が下がる性器脱のいろいろな症状
更年期
2009年9月17日 18:00 |コメント0

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