一時保護所が閉鎖される京都府福知山児童相談所

 福知山市にある府の児童相談所の一時保護所が、来年4月から1年以上にわたり閉鎖されることが分かりました。府北部唯一の一時保護機能が失われることになり、市民からは「一時保護機能を残してほしい」「体制強化こそ必要だ」と声が上がっています。日本共産党は一時保護所を残すよう求めて府議会で論戦しています。

福知山市内に代替施設確保せず、京都市内と宇治のみに

 児童相談所一時保護所は、虐待のほか、非行や障害、親の死亡・病気などで保護が必要な18歳未満の子どもを預かる施設。入所期間は原則2カ月とされています。

河川改修工事で建物を解体

 福知山市の児童相談所一時保護所は、周辺の河川改修工事にともない4月から解体を計画。児童相談所は同市内に仮移転されますが、一時保護所の代替施設はなく、1年4カ月間機能が失われることになります。その間、府内で府の一時保護所があるのは、京都市東山区の家庭支援総合センターと宇治市の宇治児童相談所だけです。

 市民や府職労連、福知山地労協などは、この問題を考える集会を昨年12月に開催し、一時保護機能を残すよう求めて運動しています。昨年12月には、福知山市議会12月定例会に一時保護所の代替施設設置を求める請願を提出。請願では、「府北部唯一の児童相談所一時保護所で、虐待などの子どもたちの避難所になっている。代替施設とともに、児童相談所で働く労働者が安心できる環境にすべき」と求めています。請願は日本共産党などは賛成しましたが、自民党など与党会派が反対し、否決されました。

 府議会12月定例会の代表質問で、日本共産党の成宮真理子議員がこの問題を取り上げ、「福知山市に一時保護所を確保すべき」と要求。西脇知事は、東山区の家庭支援総合センターを中心に調整して受け入れるとし、福知山市での代替施設設置に背を向けました。成宮議員は、宿日直にあたっていた非正規職員のリストラ計画が浮上していることなどを指摘し、「代替施設を設置するとともに、職員のリストラをやめ、機能を強化すべき」と迫りました。