京都市南区で、市民の手による民間劇場「Theatre E9 Kyoto」の建設を進める一般財団法人アーツシード京都は先月22日、同劇場の建設現場見学会と劇場のあり方などを考える講座、座談会を行いました。

 同劇場は、クラウドファンディングや寄付で建設資金を集めながら昨年10月に着工。今年夏の開館を目指しています。

 あごうさとし同財団代表理事(演出家)の案内で約20人が、建設現場や周辺の商店、文化施設などを見学。講座、座談会は、同区の創作・稽古・発表施設「studio seed box」で開かれました。

 坂口大洋・仙台高等専門学校教授が、海外と日本の演劇環境や歴史の違い、被災地などを例に文化や文化施設が地域に果たす役割などを解説。森山直人・京都造形芸術大学教授が、日本の演劇史を振り返りながら、現在どのような文化施設が必要かを社会の変化との関係から考察し、文化都市京都で新たな劇場が果たす役割や意義について語りました。

 座談会はあごう氏を司会に、坂口、森山両氏、エグゼクティブ・ディレクターの蔭山陽太氏、俳優の松岡咲子さんをパネリストに行われ、観客とともに、市民の手による民間劇場建設という新たな取り組みの困難性や可能性について活発な意見交換をしました。

■工費が約3500万円不足、財団が寄付募る 

 なお、同財団は、工事費が少なくとも約3500万円不足しているとして寄付を募っています。寄付については、ホームページ( https://askyoto.or.jp/donation/ )参照。

 問い合わせ☎075・744・6127(アーツシード京都、平日午前10時~午後6時)。