安倍政権は、来年10月から予定通り消費税率を10%に引き上げると宣言。8%増税による消費不況が続く中での増税は、暮らしや営業に深刻な打撃を与えます。分かりにくい複数税率、免税業者が取引から排除されるインボイス方式に怒りの声も寄せられます。府内の各民主商工会では、学習会とともに商店街や街頭で宣伝・署名活動を開始。10%増税中止を求めて奮闘しています。

■商店主「8%で青息吐息なのに・・・」

 右京民主商工会は「消費税10%ノー」の運動を大きく広げようと区内の商店街を訪問し、増税中止を求める署名を呼びかけています。11月7日には、小原義弘事務局長らが大映通り商店街の商店主を訪ねました。

 同商店街で営業して40年になる食堂「美濃屋」の小枝幸子さん(64)は、4年前の8%増税から落ちた売り上げが戻っていないと言います。「きつねうどん一杯510円。内税でやっていますが、原材料も上がってくる。レジも変えなきゃならない。でもコンビニやスーパーとの競争が激しく、なじみ客相手に値段を上げるのは厳しい」と頭を抱えます。

 複数税率の複雑さも負担です。飲食は10%ですが、店頭販売と出前は8%。インボイス(適格請求書等保存)方式の事務負担も重く伸し掛かります。「ややこしいですわ。食べきれなくて持ち帰ったら10%らしいけど、説明しにくい」と困った様子でした。

 書店店主は、非課税の図書券と教科書、在庫の雑誌や本が混在している上、クレジットカード扱いでの2%ポイント還元などで事務作業が煩雑になると言います。「使い道が社会保障で、しかも若い労働人口の減少で支える人が厳しいと言われると、仕方ないかなと思います。でも広く薄くというなら、国は大企業の内部留保1%くらいを回してもらってもいいんじゃないかなとも思う」

 八百屋の店主は「大企業の利益が伸びれば下へ滴り落ちるとか言うが、とんでもない。零細企業の現実を全く見ていない。8%増税以降は青息吐息だ。増税なんてとんでもない。そんな安倍政権は1日も早く辞めてもらいたい」と怒っていました。

 右京民商の小原事務局長は「10%になったら商売をやめるという人もいます。消費不況で売り上げが落ちているのに消費税増税はさらに拍車をかける」と増税中止へさらに運動を広げたいと力を込めます。

(写真=右京民商の事務局員らが大映通り商店街を訪問。「8%になった4年前から落ちた売り上げが戻っていない」と話す小枝さん〈右から2人目〉)

(「週刊京都民報」11月18日付より)