京都市美術館の再整備計画に端を発してネーミングライツの京セラへの売却や展示彫刻モニュメントの切断、再整備後の使用料大幅値上げなど、相次いで起こった問題をめぐり、日本共産党京都市議団は3日、美術団体や芸術家との報告・懇談会を京都市内で開催しました。約80人が参加し、口々に市民不在の市のやり方に怒りの声を上げ、市美術館を市民の手に取り戻そうと訴えました。

 多種多彩な美術団体と市議団との懇談会は初めてのもので、井坂博文議員が、同館の再整備をめぐり起こってきた一連の問題の経過について報告しました。

 井坂氏は、市民の財産である市美術館が、国や市の方針で「文化で稼ぐ道具」に変質させられようとしていると強調。その結果、再整備計画は集客力偏重で、「賑わい創出」が強調され、文化の充実を求める市民の声は排除されてきたと指摘しました。その上で、「文化予算の抜本的な増額や使用料値上げ・ネーミングライツ契約の撤回をはじめ、市民のための美術館として理念を明確にさせることが必要」と述べ、「一緒に運動を強めよう」と呼びかけました。

 参加者は「市美術館の使用料はこれまで、美術団体の育成のため低額に抑えられてきた。文化はみんなでつくるものだ」、「改修工事中、まともな代替え施設の確保もなく、市には煮え湯を飲まされてきた」、「金もうけ優先で、市民のための文化が壊されようとしている」などと訴えました。

(写真=約80人が参加した懇談会

(「週刊京都民報」9月9日付より)