生バンドをバックにステージで歌う、京都市下京区のライブハウス「アークデュウ」でのうたごえ喫茶が人気です。5月で16年を迎えました。

 アークデュウでのうたごえ喫茶は、「京都いろり合唱団」「女性合唱団アンダンテ」「国鉄京都うたう会」が実行委員会を作り、運営しています。16年間で参加した人はのべ3000人を超え、歌集には約650曲を収録。バンド演奏は、山口良介・上野比富美(ピアノ)、廣岡明郎(ドラム)、竹上正博(ベース)、滝本修(アコーディオン)、福嶋恵子(フルート)、水谷茂・上野浩一(ギター)の各氏。いずれも京都のうたごえ運動を支えている中心メンバーです。

 うたごえ喫茶は毎月1回、夜6時から8時半まで。京都市内だけでなく、大阪府や滋賀県、奈良県などから、80~100人が集まります。リクエストカードに歌集から選んだ曲を書き、提出。名前を呼ばれると前に出て、マイクを握ります。歌と合わせ、原発や改憲反対の運動、沖縄の闘いへの連帯、争議団で闘う人などのアピールの場になっているほか、誕生月の人への花束贈呈、3合唱団が毎月交替で歌を披露する企画も好評です。

 うたごえ喫茶に来ている人の中で、新たに合唱団に入った人もいます。広島から7年前に引っ越してきた、くりちゃん(70)は4年前に「いろり合唱団」に入団。「4声体の美しいハーモニーにぞくぞくしました。団では自分が出せて、おしゃべりも楽しい」と言います。大学で混声合唱団の経験がある福浦雅之さん(63)はテノールを担当。「カラオケと違い、みんなで一つの曲を歌うのは楽しい」と合唱曲の勉強に余念がありません。

 うたごえ喫茶が始まったきっかけは、「いろり合唱団」が2001年2月、30年ぶりに再結成したことです。「昔の歌の仲間が定年になり、同窓会を開いたら、みんな同じ思いだった」と滝本修実行委員長。団員の中西節子さん(69)が自宅の3階をレッスン場に開放したことも後押しになりました。

 実行委員の森野修一さんは「歌は闘いを励まし、つながっていける。歌で心一つに連帯していきたい」と話しています。

 次回のうたごえ喫茶inアークデュウ(下京区河原町通高辻下ル東南角林ビル地下)は14日(木)。1ドリンク付き1000円。問い合わせ☎075・821・2740(中西)。

(写真=本格的な生バンドをバックに「陽気で生きようこの人生をさ」を歌うメンバー)