「南山城村の自然を守る会」(橋本洋一代表)は10日、動植物の研究者・愛好家を講師に招き、同村でメガソーラー建設を進めようとしている米外資系企業「FS(ファーストソーラー) Japan Project6合同会社」が昨年末に公表した住民意見への見解(回答)書や自主アセスメント最終報告についての緊急講演会を月ヶ瀬ニュータウン集会所で開催。約60人が参加しました。

 講師は府のレッドデーターブックの執筆者でもある植物学者・光田(みつた)重幸・元同志社大学准教授、環境生物研究会代表の中川宗孝氏、日本トンボ学会会員の田端修氏。

 光田氏は、自主アセスメントの報告書について▽粘土湿地(おもに古琵琶湖層群、北又礫層)に形成された歴史的な里山の景観とそこに生息する稀少生物についての保全の配慮があまりにもずさん。強い酸性を示す丘陵地の湿地の植物を、平地の中性湿地に移植しても成功例はない▽地下水の動向と供給量が、まったく調査されていない▽工事で土砂が小川に流れ出し、そこに生息する生物に致命的な打撃を与える―などの問題点を指摘し、「到底承認できるものではない」と批判しました。

 中川氏は、長年にわたって同村で生態調査を行い、子どもたちと計画地周辺で府絶滅寸前種となっている両生類や昆虫などの希少生物を発見したことを紹介しました。

 田端氏は、高校生だった1963年から村を訪れて計画地や周辺で発見した希少なトンボやチョウを写真で紹介。業者は貴重なトンボやチョウが見られる6・7月に調査をしておらず「問題外」などと批判しました。

 主催者は、取り組みの報告をした上で、▽事実と異なる回答がある▽黒塗りが多くアセス公表の意味をなさない―など見解書や自主アセスの問題点を指摘。
村長が意見書を提出し、業者が府に回答書を提出しても様々な手続きがあるため、「粘り強く運動をしていこう」と呼びかけました。

 日本共産党の前窪義由紀(まえくぼよしゆき)、迫祐仁(さこゆうじ)両府議も参加しました。